2025年03月10日 15時00分

《オーガニック給食 》

子どもたちの給食の有機食材採用を求める要望書 鹿屋市へ

 大隅半島オーガニック給食の輪による「子どもたちの給食の有機食材採用を求める要望書」が、令和2025年3月3日、鹿屋市長、鹿屋市教育委員会教育長、鹿屋市議会議長宛に提出し、受理された。

写真=要望書を手渡す徳永代表(中央右)、竹中共同代表(右)

 大隅半島オーガニック給食の輪は、子どもたちに安心安全な給食を食べさせたいと願う母親たちが集まり活動しており、今回、次の内容で鹿屋市の関係部署へ要望書を手渡したもの。

 子どもたちの給食の有機食材採用を求める要望書
鹿屋市長 中西 茂 殿

大隅半島オーガニック給食の輪
鹿児島県鹿屋市串良町有里8591-306
代表 徳永順子

 日頃より鹿屋市政の発展にご尽力くださり感謝申し上げます。
 この署名は、子どもたちに安心安全な給食を食べさせたいと願う母親たちの集まる「大隅半島オーガニック給食の輪」から始まりました。
 私たちは、子どもたちの心と身体の健やかな成長のために有機食材(※)を給食に使っていただきたいと願っています。

 私たちの中には、わが子の発育障害(発達障害、精神疾患、アレルギー・アトピーなど)や、家族の健康問題などに深く悩んでいる人や、わが子の食をめぐる社会環境に不安を感じている仲間がいます。

 教育現場に携わる仲間のひとりは「集中力欠如の子どもたちが年々増えているのを実感している」と子どもたちの異変に危機感を覚え、調べたところ統計的にも特別支援学級の数が実際に急増していることが分かりました。

 私たちは、ひとつの可能性として、利益重視や効率化重視で収穫量を増やしたり、見栄えをよくするために使用している消毒剤・除草剤・殺虫剤などの農薬類と化学肥料等の微量成分が食べもの中に含まれていることが原因のひとつではないかと考えています。

 その土地でとれた旬の有機食材には「生命力」があります。医食同源という言葉があり、食べものは身体を作り、また身体の病を治してくれます。

 国が許可した農薬だから使用しても安全という発想ではなく、多少形が悪く作業効率が落ち、価格が高くなったとしても、「子どもたちが食べる食材は、大自然の生命力のある食べものであること」を最優先に考えていただき、有機食材を大切にしてほしいと切実に願っています。
 また、作り手の思いが込められる温かい「自校調理方式」も、できることなら復活していただきたいと願っています。

 子どもは未来を支える社会全体の宝物です。心と身体が健やかに発達するために学校給食は必要不可欠です。段階的に1品からでも前向きに取り組んでいただけますよう、以下の通り要望いたします。
※ここでの有機食材とは、有機JAS認証ではなく「化学薬品不使用の農産物を含む食品(農薬不使用・無化学肥料・非遺伝子組み換え・非ゲノム編集)」の意味で使います。

【要望】
 1 パンや麺の原料小麦は「国産小麦」を使用してください。(九州産や地元産は尚可)(※注1)
 2 米・野菜等は「有機農産物」を使用してください。(九州産や地元産は尚可)
 3 塩と砂糖は「精製されていないもの」、調味料は「合成保存料・合成甘味料・合成アミノ酸・遺伝子組み換え不使用のもの」を使用してください。
 4 肉魚卵などのたんぱく質は地元産のもので、なるべく自然に近い環境で飼育、捕獲されたものを使用してください。
 5 有機農産物の取り扱いに際し、不揃いで泥付きの野菜などを処理するために必要とされる下処理施設及び関連設備のための追加予算を確保してください。
 6 有機農産物の取り扱いに際し、複数生産者からの受け入れ調整等が必要になるなどの付随する追加負担について、対応職員の増員、関連職員の給与増額(栄養士、調理員等)等のための追加予算を確保してください。
 7 有機食材に変えて差額が生じた分は行政側が負担してください。
 8 有機食材を納入する生産者が増えるように支援をしてください。
 9 行政は農薬散布(航空防除、ドローン散布含む)を積極的に推進しないでください。
  ※注1:アメリカ・カナダ産小麦は収穫前に枯葉剤(グリホサート)を散布しているため残留農薬が検出されています。学校給食のパンについて農民連食品分析センターが2019年6月~2020年1月に調べたところ、14個のうち12個から検出されました(うち不検出2個は地場産小麦粉や米粉)。私たちは学校給食での輸入小麦を使用した食品を子どもたちに食べさせることに強い不安を感じています。

 この日は、徳永代表と竹中愛実共同代表が、鹿屋市商工部の剱持朋彦部長と、鹿屋市教育委員会の川越太教育次長に要望書を手渡したあと、鹿屋市でのオーガニックマルシェについて、有機JAS認定農家向けの補助内容、鹿屋市独自の有機JASに準ずるような基準の作成について、鹿屋市の農産物についての方針づくりなどについての情報交換があった。

 徳永代表らは、「鹿屋市内で映画『いただきます』『希望の給食』『タネは誰のもの』上映会や意見交換会、懇談会など活動を始めて3年目となりましたが、当初に比べるといい方向に変わったなと感じました。ただ、細かい所はこれからで、今回、皆さんの思いを要望書という形で市政に届けられてまずは第一歩です」など話していた。

 要望書には、署名欄もあり「この活動が、鹿屋市や大隅半島にとって大きな一歩となり、今後は5月31日の署名提出に向けて1人でも多くの方にお力添えいただけましたら嬉しいです。子ども達に今以上に身体にも、心にも美味しい給食を届けられます様に」とPRしていた。

大隅半島オーガニック給食の輪 インスタ 

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