2024年10月05日 11時20分

《伝統 》

鹿屋市王子町鉦踊り、からす舞と構成される貴重な踊り

 鹿屋市王子町の鉦踊り奉納が、令和6年9月30日、同町和田井堰公園で開催され、和田新田土地改良区の神事の後、川東町「八月口説踊り」も奉納された。

 王子町の鉦踊りは、王子町に築かれた和田井堰から川東町までの約12㌔に及ぶ新田川の用水路開削に伴う開田を祝い、水神への感謝をこめて奉納。
 江戸時代の後期、宝暦3年(1753年)、当時の島津藩政時代に盛んに新田の開拓が行われ、王子町に築かれた和田井堰取水口から古前城町、本町、曽田、白崎、新川を経て、川東町に至る下流延々約12㌔におよび鹿屋盆地に通水し、約150haの開田を記念して生まれたもの。

 鉦などを用いた「鉦踊り」と、カラスが飛ぶような所作が特徴的な「からす舞」の2種類から構成されており、大隅半島の水神祭では、鉦踊りと八月踊りがセットで奉納されることが多く八月踊りとは質的に異なる「からす舞」が奉納される貴重な鉦踊り。
 毎年、旧暦の8月28日、豊作祈念と水神祭を兼ね奉納されている。

 かつては水路の流域にある集落でそれぞれ鉦踊りは奉納されていたが、今は王子町と川東町(光同寺鉦踊り)のみとなっている。
 王子町鉦踊りは県指定無形文化財に指定されている。

 この日は、和田井堰公園内にある和田新田土地改良区と水神祠の前で神事が行われ、川東町「八月口説踊り」も奉納され、鉦踊りが奉納された。

 また、鉦踊り・銭太鼓町内巡行は、10月20日午前8時30分~午後4時まで、王子町内一円で開催される予定で、その日の踊り手は、小・中学生も参加。
 その練習は、10月15日(火)から19日(土)まで午後7時から王子町公民館で行われる。

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