2025年06月23日 20時56分
《大隅点描 》
ホヨシハナイカダの発見~形態的、遺伝的な構造を覆す
落葉低木でハナイカダ科(旧ミズキ科)のハナイカダ。
コバノハナイカダは、筆者の調査では大隅半島の山野林下にごく普通に分布し、特別な種ではないとの思いがあった。
ところが肝属山地の甫与志岳(967m)の林下には、葉がさらに小さく葉の厚みが薄く葉面に光沢を持たない種の数株を発見した。

ハナイカダ科の特徴である波面中央にある花実を確認したことでハナイカダ科であることを判断した。
樹高は80㌢未満、葉の長さ3㌢から5㌢、幅1㌢から2・2㌢とハナイカダ科の中では最小である。
本来ハナイカダ科は山野の暖かい林野に生え分布するが、寒い高所の林下に生えるハナイカダは見たことがなく、従来のハナイカダ科の形態的、遺伝的な構造を根本から覆すものであり注目される。
本種は甫与志岳の名を取り仮称「ホヨシハナイカダ」と名づけることにした。
写真はそのホヨシハナイカダである。
筆者にとって15米の新種発見である。
大隅の自然、歴史研究
坂元二三夫