2026年08月07日 22時06分

《鹿屋経済同友クラブ 》

明石海峡大橋と野島断層保存館とで視察の意味深める

錦江湾横断道路建設視察研修

 私たちが行く予定だった明石海峡大橋塔頂体験「ブリッジワールド」は、悪天候のために中止となったが、その空いた時間で、1995年に起こった阪神淡路大震災「北淡震災記念公園 野島断層保存館」に出かけた。

 今、再び熊本地震が起こり、お亡くなりになられた方、家が全壊した家族、道路が寸断され、電気や水も届かない地域など、大変な思いをしておられる。

 現地に行ってはいないので、現実的なその惨状は詳しく分からないところがある。
 10年前の地震や阪神淡路大震災のことも、少しずつ記憶が薄れつつもあり、ただこの視察で、いまだ大事に残されている断層をこの目でしっかりと見ることができて、少しはそのすごさが分かった。

 保存館のエントランスには、高速道路の陸橋が根元から倒れている様子が再現され、その横には横転しているトラックがあり瓦礫も散乱しリアルそのもの。

 そして、実際にこの地で被災したガイドが、その体験、自分の家族や近所の人たち、子どもを亡くした親の話や気持ちを、さらにリアルに説明をしてくれた。

 館内の壁には、震災時の写真がパネルで何枚も掲示してあり、今は復興している神戸の街だが、当時の様子が写真でも十分伝わる。

 そして野島断層の説明、断層がありのままに保存され、「地震の凄まじさと脅威を感じていただき、地震に備える大切さを伝えます」とある。

 本州から四国、そして九州につながる中央構造線のその北側にある淡路島。
 そこでの断層による様々な地形の変化が詳しく観察でき、断層の断面が見られるトレンチ展示や触れる断層も展示されている。

 実際、残されている長さ140mの断層が続いており、断層による地面の段差(断層崖の高さ)は最大50cm、横ずれも最大1.5m右方向にずれ、自然の脅威のすさまじさを感じた。

 また断層は2つに分かれているところがあり、主断層の海側に副断層がほぼ平行に延びて、この2つの断層は、地下では1つにつながっていると考えられているという。

 地震から30年たち、地表にあらわれた断層のほとんどが消えつつある今、貴重な地形遺産としてここに残されていて、1998年に国の天然記念物に指定され、2022年にはIUGSの「世界の地質遺産100選」に選ばれている。

 建物の外には神戸の壁、1956年(昭和2)頃、神戸市長田区の公設市場の延焼防火壁として建てられ、第二次世界大戦中の神戸大空襲に耐え残り、大震災では周囲の建物が倒壊全焼する中、この壁だけは倒れず、焼けず、その姿をとどめた。

 震災の記憶を風化させないための震災遺構として、阪神・淡路大震災の教訓を末永く後世に伝えている。

 また、活断層が建物の真横を通りながらも倒れず、若干水平に傾きがあるが、その後もしばらく住んでいたという建物、「メモリアルハウス」には、みんなもびっくり。

 その周りの畑にもまっすぐ断層が伸び、それが先ほどのしっかり保存されている野島断層につながっている。

 次は、VR地震体験があり、地震に合わせ動く椅子に座り、ゴーグルをつけ、まさに室内で地震に合ったような家具やテレビなどが倒れてくる様が体験できた。

 例えば、鹿屋市での戦争の歴史、戦跡などまだ残ってはいるが、少しずつ無くなっていって、戦争が風化していく。

 この保存に足を運ぶと、当時の大地震の様子が
かなり再現されていて、訪れた人たちはまた記憶に残り、風化は進んでいかないのか…。

 保存館をあとにして思うのは、天候がよかったらブリッジワールドに登って、300m眼下の街を望み、眺望を楽しんだり、この橋のスケールの大きさと、その構造を学ぶことができたかもしれない。

 しかしこの橋の建設中に、これだけの大地震が起こり、それが1mずれただけ、工期も少し伸びただけで完成したというその技術には舌をまいた。

 かえって、明石大橋の構造など学び、この野島断層を見ることができて、これがセットで視察のコースにあったことが、今回の視察の意味を深めた。

 桜島と鹿児島市街地を結ぶ横断道路建設。
 今回の視察で感じたことは、命を守る道路という点ではいっしょかもしれないトンネルと橋。

 トンネルの説明も以前、大手ゼネコンから聞く機会もあったが、錦江湾を潜り、姿かたちが見えない海底にあるよりも、その目の前に威風堂々とその存在があり、特に夜景など考えると、観光に大きく貢献し映える橋のほうが、県全体の活性化にも繋がるのだと思う。

 明石大橋でのガイドにも「トンネルという選択は無かったのですか」と尋ねた。
 答えは「勾配を考えると無理」という結論だったという。
 少し長くなったので、次回へ続く…。(米永20260807)

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