2025年09月05日 10時46分
《大隅点描 》
サタジカ現れる~南大隅町野尻野草原
日本に生息するシカ(鹿)は、一般にニホンジカと言われ、本州に生息する鹿を本州鹿、北海道に生息する鹿をエゾジカ、九州に生息する鹿をキュウシュウジカとも呼ばれる。
これらのニホンジカの特徴として、夏毛は赤褐色で白い斑点があり、冬毛は白い斑点が消えて灰褐色となる。
エゾジカが大きく南に下るほど小さくなる傾向があり、ヤクジカ、マゲジカが小型化している。

ツノの長さはエゾジカが80㌢の4尖、本州鹿、九州鹿で70㌢の4尖、最少はヤクジカで30㌢の3尖となっている。
ところが鹿児島県南大隅町に生息するサタジカは大きく79㌔もあり九州最大級である。
しかもツノは4尖から7尖と多く変化に富み異形である。
今回8月27日に南大隅町野尻野草原で、ツノ7尖を持ったシカに車で走行中に遭遇した。
残念ながら撮影できなかったが、その7尖のツノの姿形は気品に溢れ神話にも登場しそうな美しささえ感じた。
サタジカについては筆者は以前から特別な思いを持っていた。
それは「ムカシジカ」の遺伝を持ったシカではないか思い、27年前の平成11年に当時のサタジカの保護を求めたこともあった。
このサタジカについては、平成15年3月発行の内之浦町誌に記述している。
写真は7尖を持った扇形のツノの姿形である。
大隅の自然、歴史研究
坂元二三夫