2023年04月10日 17時27分

《オーガニック 》

目を背けてはいけない子や孫たちのために

 元農水相の山田正彦さんの講演を聴いた。

 以前から、種子法廃止や種苗法を話題にしていたグループがあって、そこでは実際、有機栽培で大豆を作ったり、小麦やもち麦を育てたりしている。個人レベルで自分たちが出来ることを…という人たち。

 話の中でも種子法廃止については、動きがあることは話題になっていたが、実際、種苗法に関しての動きやオーガニック給食が、ここまで進んでいるとは知らなかった。

 私たちが思っている以上に、危機感を持って、現実に動いている人たちがいるということはうれしくもあり、早く追いつかなくては…という思いにもなった。

 農薬についても、中国の輸入作物よりも、日本の基準のほうが甘く危険ということも聞いていたし、そうした話を聞くと、自分で食べる分くらいは自分たちで…ということもあって、今食べている米は、乳酸菌を使って農薬を使わない玄米、この前も無農薬で作った野菜ももらってきた。

 もっと前から、種の交換会などにも興味があって参加したりしていて、今回、この講演でそれ以来久しぶりにお会いした人もいた。ただ個人的なレベルもだが、もっと大事なことは地域の中で、それをしっかり広がりを持って伝えたり訴えたりしていかないといけないということ。

 講演で山田さんが訴えていたように、まだ私たちはいいのかもしれないが子や孫に大きな影響が出てくるということ。現実には今でも、発達障がいなども、そうしたことことが一因とも言われている。

全国でオーガニック給食急速に

 ただそこには、とても政治的な動きがあって、大きなメディアでは、そこを扱いたがらないという。目を背けている部分がある。

 しかし、子供たちというよりも、この日本の将来を考えると、全国でオーガニック給食が急速に広がっていこうとしているように、これこそが待ったなしの大きな問題になっていて、それに早く気づき、気付くだけでは駄目で、それを動きに変えていかないと、今でも手遅れなのだろう。

 いま、統一地方選の真っただ中で、終わった県議選の中でもこうした訴えをしていた候補がどれだけいただろうか。

 特に鹿児島は保守地盤の固いところで、既存の政策の中での公約等になりがち。できたばかりの子ども庁に合わせ子育て支援、コロナウイルス禍からの経済支援など、訴えるような内容も重なり、候補者の違いを見出すことができず、投票率は2003年県議選から6回続けて最低を更新している。しかも42・97%と2011年から50%を切っている状態は尋常ではない。

 私たちは選挙の時だけでない、日ごろからもっと、自分たちの子どもたちの未来、ただでさえ少子高齢社会、人口減少社会で、若い世代にどんどん負担がかかっていく。それが子ども庁ということだろうが、テレビ等にほとんど出ない食の問題、農薬や種と遺伝子組み換え、自給率の問題などを今すぐ取り掛かっていかないと、それこそ取り返しのつかない次元の違った大きな禍根を残すことになるのだろう。

 しばらくは、この問題に触れていきたい。(米永)

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