2025年10月01日 05時30分

《大隅点描 》

タカクマホトトギス咲く 秋の高山植物次々と 黄紅葉も

 高隈山系御岳に9月19日(金)に8組、20日(土)に12組の登山者があり、初秋の風情を求めて訪れる人も多い。

 初秋の花と言えば、やはり高隈山(ユリ科)が登山口から開花を始めており、他にキンミズヒキ、キクバヒヨドリ、シコクママコナ、ノギラン、ナンバンギセル、キカンピ、キハギ、ノリウツギも開花しており、登山をしない人も楽しむことが出来る。

 タカクマホトトギスは、黄花で目立ち、高隈山系、肝属山系の固有種である。

 この黄花ホトトギスグループは、宮崎県尾鈴山のキバナノツキヌキホトトギス、宮崎中南部のキバナノホトトギス、チャボホトトギス、屋久島のチャボホトトギスが地理的に太平洋岸沿いに固有種として分布していることからきわめて貴重である。

 御岳登山道には、チョウセンキンムズヒキ、ヒメキンミズヒキ、ヤマジノホトトギス、アキノタムラソウ、ツクシコウモリ、ミヤマウズラ、スズコウジュ、ツルニンジン等が見られる。

 9合目から山頂にかけて南限のミズナラ(ブナ科)のドングリの実も見られる。

 10月に入ると、これらにタカクマヒキオコシ、リンドウ、オオマルバノテンニンソウも開花し、11月に入ると山頂一帯は黄、紅葉期に入り、高隈山を南限とし、冷温帯植物を代表するコミネカエデが見事な紅葉を見せる。

 大隅の自然、歴史研究
 坂元二三夫

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