《戦争と平和 》
旧海軍串良基地戦没者追悼式と平和祈念献茶式厳かに
特攻隊が出撃した旧海軍航空隊串良基地の戦没者追悼式と、裏千家淡交会鹿児島支部主催の平和祈念献茶式が令和6年9月22日、串良平和アリーナで開催され、生存者や遺族らによる慰霊、追悼があり、特攻兵の生存者である裏千家千玄室大宗匠(101)による献茶の儀が厳かに行われ、仲間の冥福を祈った。
写真=裏千家千玄室大宗匠による献茶の儀
同基地は1945年3月から特攻隊の出撃基地となり、全国から部隊が集まり、特攻隊などとして出撃した573人が戦死。
この日は荒天の影響で、慰霊塔がある平和記念公園から屋内の同アリーナに会場を移して実施。生存者や遺族、市や海上自衛隊鹿屋航空基地の関係者ら約850人が出席し追悼。
亡き戦友が遺した茶碗でお茶をたて厳かに献茶の儀を終えた大宗匠は、お茶を振る舞った戦友との思い出や「千よ、生きて帰って来たらおまえの茶室で本物の茶を飲ませてくれ」と言われたことなどを話し、「戦友たちは、家族を守るために『俺たちは死んでいくんだ。靖国で会うぞ』と言葉を残して出て行った。どうか皆さん、特攻の意味を知ってあげてください」とあいさつした。
中西茂市長が式辞、海上自衛隊鹿屋航空基地第1航空群の大西哲群司令が追悼の言葉。遺族代表の相田博史さんが慰霊のことばを述べた。
遺族や関係者、地元の小学生、中高校生らによる献花や、特攻隊員が残した遺書の朗読を佐藤聡さんが行い、千さんら生存者による同期の桜が斉唱された。
鹿屋女子高3年の山﨑梨沙子さんによる「平和へのメッセージ」が披露された。
式典に先立ち、慰霊塔の近くに建立された「徳島白菊特攻隊」の慰霊碑の除幕式もあった。
旧海軍航空隊串良基地から出撃して亡くなった荒木圭亮少尉(当時23歳)の甥である相田博司さん(63)(東京都)が建立に尽力された。
写真=式辞を述べる中西市長
写真=第1航空群の大西哲群司令が追悼の言葉
写真=遺族代表の相田博史さんが慰霊のことば
写真=生存者による献花
写真=佐藤聡さんが特攻隊員が残した遺書の朗読
写真=生存者による同期の桜斉唱
写真=鹿屋女子高3年の山﨑梨沙子さんが「平和へのメッセージ」