《地域づくり 》
凸凹こそよし 人を活かすモノづくりの醍醐味~ハナノキフェス
南大隅町の社会福祉法人白鳩会「花の木農場」で
南大隅町の社会福祉法人白鳩会「花の木農場」で令和6年10月20日、ハナノキフェスがあり、俳優の松山ケンイチさんがデザインしたTシャツを販売したり、シンポジウムなどでゲスト参加。
フェスでは知的障害がある施設利用者らが、茶そばや豚丼といった茶や肉の加工品などを販売し、ゴスペルも披露するなど、イキイキと日ごろの仕事や活動を広く知ってもらえるようPRしていた。
写真=松山ケンイチさんらゲストのシンポジウムであいさつする中村理事長
同農場は、障害者が自身の能力を生かし、社会とつながっていくことを目指している開放型福祉農園。昭和48年に更生施設「おおすみの園」を皮切りに農福連携のパイオニア的な存在。
松山さんはNHKの大河ドラマ「平清盛」で主演、連続ドラマ「虎に翼」では最高裁長官の役など実力派俳優で、農業にも取り組み、家族との田舎暮らしや二拠点生活をし、生かされていない資源を利活用するブランドを運営。
今回、農場のメンバーが描いた絵をデザインしTシャツにして店頭で販売した。
この日は、オープニングが、とっておきの音楽祭。
鹿屋市文化会館楽団プロジェクト、出店各ブース紹介タイムがあり、JAZNICPARKのライブ演奏。
シンポジウム「凸凹こそよし、人を活かすモノづくりの醍醐味」では、司会の富井伸行さんが、昨年は、「凸凹(でこぼこ)もまたよし! ハンディキャップの人も熱くなるフェス」だったですが、今年は、もう一歩進んで「凸凹こそよし」ということで開催しました」と紹介。
同農場の中村隆一郎理事長が、松山ケンイチさんがなぜここでゲスト参加されているのか、しらさわさんとの農福連携での関わり、司会の富井さんが花ノ木農場のお茶の新しいブランディングで仕事をされていることなど紹介。
松山さんが、momijiというブランドを立ち上げ、農地に危害を与える獣の皮を廃棄せざるを得ないその皮を活かしてのブランドだが、何かを活かすということを考え、農福連携もそうで、実は人も、自分のことも生かし切れていないのではないか…という思いで、白鳩かいとのかかわりの中で何かヒントをもらいたい…と来ている。
しらさわさんが、ITとかのクリエイティブの仕事をしてきて、15年前、福祉の現場で低工賃で働いている現実を見て衝撃を受け、ITとかサービスを提供する仕事が彼らにとって何か出来ることは無いかと、就労継続支援B型の仕事を始めたこと。
富井さんが、ニトリという会社に入った時は30店舗だったが、30年働いて2年前辞めた時は900店舗。
似鳥社長の右腕として働いてきて、独立してから中村理事長を知り、これまでのノウハウでこの花ノ木ファームのダイヤの原石を、もっと知ってもらい楽しんでもらえることができないかと仕事をさせてもらっている。
中村理事長が、花ノ木農場のこと、小さいころ自分の周りには障害、凸凹の愉快な人たちがいて、そして今、人口減少など昔の福祉と全然違うということ、それが可能性のある取り組みとして仕事をしてきた…と話し、「普通の人たちにもある凸凹という個性について、もっと何かできることはできないか」「社会の中でそうしたことをどう表現したり活かしていくのか」などのがディスカッションされた。
ステージで今回、障害者により同農場で収穫されたお茶「多喜隆」を障害者が石臼で引いた粉茶「たき粉」の試飲をし、新製品茶そばや今回作成したTシャツのPRもしながら、来年以降のフェスのことも語り合われた。
フィナーレでは、Hananoki Farmaers Choirによる歌などが元気よく披露された。