2025年10月04日 10時11分

《観光 》

惜しまれながら第二さたでい号の最後の運航

 第二さたでい号運航終了に伴うセレモニーが、令和7年9月30日(火)、午後2時30分からの最後の運航を終え、さたでい号待合所前で開催された。

写真=最後の運行でサンゴ礁や熱帯魚に見入る町民ら

 第二さたでい号は、長年にわたり町民や南大隅町を訪れた観光客を楽しませてきましたが、老朽化により、9月30日をもって運航終了となりセレモニーが行われたもの。

 この日の最後の運行には、石畑博町長や木佐貫徳和町議会議長、地域住民らも乗船し、終了を惜しんでいた。

写真=第2さたでい号の雄姿の前で記念写真

写真=長年運航してきた濱田夫婦’(中央2人)

写真=濱田夫婦に感謝状や花束

 セレモニーでは、第二さたでい号経過報告が次の概要で行われた。

 さたでい号の就航は、平成2年7月に開始。
 7月21日の就航以来、72日目で1万人達成。「今後が期待される水中展望船「さたでい号」」と当時の町広報誌表紙にも掲載があるなど大きな期待が掛けられた。

 現在の第二さたでい号は、平成3年7月6日から就航しており、多くの観光客が連日訪れ、佐多岬観光の目玉となった。
 平成4年5月には、就航当初から5万人突破。

 総トン数は14トン。旅客定員は29人。 工ンジンはティーゼルエンジン。

 直近での平成17年度から令和6年度までのさたでい号利用者数の合計は、5万1915名。平成25年度が最も多く3847名の利用者。
 また、佐多岬グランドオープンや大河ドラマの影響を受けた平成31年度は3517名の利用があった。

 佐多岬周辺の海中は、色鮮やかなサンゴが密生し、海藻類の群落、その間を縫って遊泳する色とりどりの熱帯魚など、豊かな海の自然の宝庫です。第二さたでい号は、このすばらしいエメラルドプルーの別世界を水中散策することができ、就航以来34年間これまで多くの観光客を魅了してきました。

 重ねて、安全運航に取り組んでいたたいた濱田船長夫妻にも心から感謝の意を表します。

写真=大きなテーブルサンゴ

 石畑町長があいさつし、濱田千昭船長から運航終了にあたっての思いが述べられ、濱田千昭、優子夫妻に花束が贈られて、その労をねぎらい大きな拍手が沸き起こった。

 同航路については、令和4年4月に知床遊覧船沈没事故があってから、管理業務や体制がより厳しくなり、加えて船の老朽化もあって、今後は今の形態での運行が難しくなったという。

写真=船上から佐多岬を望む

 長年の運行に濱田船長は「これまで、梅雨時期には1週間ほど運行できなかったり、台風時期での欠航、晴れていて凪であっても前日が大雨で海が濁っていて運行できない日があったりしましたが、多くの方々に乗船していただきました。

 船の老朽化と運行管理が厳しくなり、運航終了となりましたが、もし、別な形でも運行が再開するならまたお手伝いしたい」など話していた。

写真=ラスト運航を終えお辞儀する濱田船長

 石畑町長は「濱田ご夫婦には、これまで頑張っていただいた。佐多岬観光は、ホテルも再開に向けて話が進められているところで、船長も年齢的にはまだやれると思うし、例えば船底がガラス張りのグラスボートなどの可能性、またこの建物内のレストランはまだしばらく営業していたくので、佐多岬の景観など活かした観光をさらに考えていきたい。」など話していた。

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