《四季の話題 》
ヒメホタルが優雅に舞う~鹿屋市上祓川の瀬戸山神社
鹿屋市上祓川町の瀬戸山神社は、春には棒踊り奉納で知られ、5月になるとホタルの楽園になる。
写真=階段上部にはたくさんのヒメホタル
一昨年の大雨で神社拝殿に大きな御神木が倒れて、拝殿は崩れた。拝殿は早速改修され、約400万円かけて一昨年11月に完成した。宮大工は頼まずに、地元の大工さんの手で工事は行われ、神社周囲はホタルの名所であり、ホタルに影響がないように慎重に工事は行われた。
瀬戸山神社は、室町時代に五代寺として慶賢法印僧上が開山した。江戸末期まで神宮寺として修験道の拠点であった。
高隈山系は大隅高隈郷、垂水郷、花岡郷、鹿屋郷、百引郷からそびえる小篦柄岳、大篦柄岳、妻岳、御岳、七岳、平岳、横岳からなる。
御祭神は大山祇の神(山の神)、水波能女神(水の神)、灸能智神、伊勢の神(内宮、外宮)。
日本列島最南端の霊山で、修験道の拠点だった。
写真=84段の階段を登って瀬戸山神社に参拝するヒメホタル
神社前道路から神社に向かう参道は、お産する時の産道であり、産道を潜り階段を登ると、パット開けた明るい神社が現れる。これは修験者の修験の一つで、生まれ変わる意味がある。
姫ホタルは瀬戸山神社参道に84段ある階段を登って参拝し、社殿の周囲でも多く舞っている。
ヒメホタルは日本固有種で、ホタル科の昆虫。体長は約7ミリで、ゲンジホタルやヘイケホタルより小さく、川ではなく森林に生息する。
ゲンジやヘイケホタルより光は弱く、優雅に点滅しながら飛ぶ姿は美しく、姫ホタルと呼ばれている。
県内のヒメホタルの生息地は少ないが、大隅半島には多いことから、県内外から観察や写真撮影に訪れる人が多い。
今年のヒメホタルは例年より早く訪れ、数は少ないようだ。最盛期は過ぎ、数日間は楽しめそうだ。ヒメホタルの優雅な舞を写真撮影しようと、カメラマンが県内外からやって来る。