2025年08月10日 05時39分

《大隅点描 》

特攻隊員が手にしているのは、ナワシログミの枝

 写真は、鹿屋市の戦後80年特別企画展が開催されているリナシティかのやの会場に展示されているパネルの1枚。

 桜花の野里国民学校で過ごす若き特攻隊員の姿である。
 撮影者はおそらく軍報道員と思われる。

 左端の特攻隊員が手にしているのは、なんとナワシログミ(グミ科)の枝である。

 一つの枝に、たわわに赤く熟したグミの実が葉とともに写し出されている。同じ隊員とともに食していたものと思われる。

 ナワシログミの名はイネの苗を育てる苗代田(ナワシロダ)のことに実るグミをナワシロに当てている。

 昔の子らが食べた山のおやつであった。
 特攻隊員の笑顔を見て涙をさそい、印象深い思いに搔き立てられた。

 写真の撮影は、グミの実る5月であることが分かる。

 戦後80年特別企画は8月17日まで開催されている。訪れた9日は多くの市民が展示物を熱心に見入っていた。
 ぜひ足を運んでみられては…。

 大隅の自然、歴史研究
 坂元二三夫

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