2024年07月17日 12時49分

《大隅点描 》

イナオミツバツツジ~葉が大きく膨らむ丸くなる特徴

 鹿児島県大隅半島の高隈山地、肝属山地、大隅南部産地は、ミツバツツジ類の宝庫である。

 これら山地に知られる種としてタカクマミツバツツジ、キリシマミツバツツジ、オオスミミツバツツジ、ハヤトミツバツツジの4種が知られる。

 しかし筆者の長年の調査によって、キモツキミツバツツジ、イナオミツバツツジ、クモイワミツバツツジ、ミナミミツバツツジ、ホソバノミツバツツジの5種を発見している。

 いずれも開花日、花形、樹肌色、葉形などが異なり、分類によって見分けられることである。

 今回紹介した写真のイナオミツバツツジは、大隅南部産地の稲尾岳である。
 稲尾岳には、他オオスミミツバツツジ、キリシマミツバツツジ(大隅南部型)も分布するが、オオスミミツバツツジとイナオミツバツツジは見分けられないほど似ており、同類として現在も見られている。

 しかし、オオスミミツバツツジの葉形は、葉の中央部で広く膨らむが、写真に満つように、イナオミツバツツジの葉は、葉柄から急に大きく膨らむ丸(円)くなる特徴を持っており、この違いは明らかである。

 また筆者はイナオミツバツツジと同じ葉形を、同じ大隅南部山地の野首岳でも発見しており、調査を継続中である。

 大隅の自然、歴史研究
 坂元二三夫

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