2024年08月15日 09時47分

《エコ 》

リサイクル率日本一のまちから、ごみの未来を考える

 リサイクル率日本一のまちから、ごみの未来を考えるが、2024年8月10日、ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅で開催され、ゴミ清掃芸人滝沢秀一氏による「マシンガンズ滝沢と考えるゴミ分別をした先の未来」、㈱そおリサイクルセンターの宮地光弘代表取締役による「曽於地区におけるリサイクルの歴史」と題し講演があり、クロストークも行われた。

 公益社団法人新大隅青年会議所(上村曜介理事長)主催。

写真=上村理事長があいさつ

 リサイクルの未来や資源循環について、楽しみながら知り、考え活発に意見交換を行うことを目的として開催。

 講師の滝沢さんは、芸人の傍ら、ごみ収集会社で清掃員として勤務。ごみ収集時に見えてくる社会世相、食品ロス問題、環境問題などを発信している。

写真=ゴミ清掃芸人滝沢氏

 この日は、地元の小学生もたくさん参加。
 上村理事長があいさつし、講演では滝沢氏が、清掃員の仕事をするきっかけや、環境問題等について発信していることなど話し、「ゴミ回収が無くなるとどうなるでしょうか?」と問いかけ、行政が機能していないと、例えばレバノンの首都ベイルートでは、悪臭がし有害物質で目が痛くなる。雨が降ると有害物質が地下水に染み込んで、猛暑が続くとさらに悪臭がし腐っていく…とゴミがたまっている写真を示した。

 東京にもゴミの出し方でひどい地域があり、清掃員になって一番衝撃だったのがゴミの量。

 日本の最終処分場の寿命はあと23・5年という。また、世界で援助が必要な食料は480万トンなのに、日本の所品ロスは約523万トン。
 世界穀物生産高は、毎年26億トン、世界人口で割ると一人340㌔は食べられるが、実際は154㌧。特に先進国に食べ物が集まっている。

写真=分別の歴史を語る宮地氏

 ゴミ清掃員の仕事をしていて、自分の家のゴミ箱と収集所とをいっしょに考え、分別しないし、ゴミを出すことが無料だと錯覚している。

 ゴミ自体を減らし、分別することが大事。大崎町は28種類の分別をしており、全国に広がっていくモデルとなっているのは素晴らしいこと。

 地球環境を考え、3Rのリデュース、リユース、リサイクルにリスペクトを加え、金で買ったものだから食べようが捨てようが勝手だということでなく、食べ物へのリスペクトを考え、4Rを訴えていきたい…など話した。

写真=会場からの質問

 宮地さんは、ゴミゼロを目指して、美しい地球を次の世代へ…というビデオを観てから、今の志布志の下平市長が当時、係長時代に熱心に取り組まれ、地球環境が大事で、ゴミのことで出来ることは何だ…など言われたこと。

 そのときはし尿の仕事をしており、環境活動家の方々に習い勉強をし、環境は農業からということも学んだ。

 ゴミの分別収集に取り掛かり、担当がゴミステーションに3か月間立ち、アピア前に回収所を設置するなど情熱があった。
 分別した先の引き取り業者を探すのにも苦労、プレスチックゴミは集めたあとに業者が分別することにもなった。

 大崎町のごみ減量は、徳礼さんから大きく前進、リサイクル率20%から80%台に上昇させた。

 志布志市と大崎町が分別を始め、それを続けている住民の取り組みに心から尊敬している。

 改修した資源を循環させるための行政の役割についてや、地球環境を良くしたい、美しい地球を子供たちに残したい…など話した。

写真=クイズタイム

 クイズタイムがあり、「世界の焼却炉の数のうち50%以上は日本が保有している」「日本のリサイクル率は50%以上である」などの質問に参加者が答え、会場では町の循ちゃん環ちゃんたい肥で作った有機かぼちゃの天ぷらや、有機コーヒーが振舞われた。

 「登談者の考えるゴミの未来について」滝沢氏、宮地氏、上村氏と、新大隅JCのまち・ひとづくり委員会、久我有希委員長によるクロストークがあり、それぞれの思いと、アンケートに対しての答え、会場からの質問に応えながら、「海外からの視察も多いが、海外の方に教えることができるのは大崎と志布志しかないのでは」「地域の方にこれ以上負担は掛けられない、他方で資源化できるものはまだあると思う。そういった普及を」など語っていた。

最新の記事

合計 1382 件中 1ページ目を表示

カテゴリ最新記事