《スポーツ 》
がむしゃらに頑張ることはダサくない 金メダリスト杉野選手
鹿屋体大で競技力向上セミナ--
2024年パリオリンビック体操男子団体で金メダルを獲得した鹿屋体育大学卒業生の杉野正尭選手による競技力向上セミナ-が、12月13日、同大学水野講堂で開催された。
対象者は、同大学の学生及び教職員。
演題は「鹿屋体育大学からオリンピック金メダルを獲得するまで」
杉野選手(徳洲会体操フラブ)による「夢への挑戦~ともに頑張る君たち~」講演と、日本体操協会男子強化本部の村田憲亮本部長と、OBでもある中谷太希助教、杉野選手の3人をパネラーに、山下龍一郎講師が進行し、パネルディスカッションがあった。
杉野選手は、2017年4月鹿屋体育大学入学、2024年3月修士課程修了、2024年パリオリンビック体操競技男子団体優勝。
この日は、午前中に杉野選手本同大学体操練習室で練習を行い、学長表敬、広報アンノヾサダー委嘱式があり、鹿屋市長への表敬訪問もあった。
講演では、自己紹介し、小さいころからの体操との関わり、大学に入ってからすぐに全日本種目別選手権で優勝し、世界選手権日本代表補欠に選出されたことで夢が目標に変わった。
2018年、今度こそ絶対代表になると体操にかける時間や熱量を爆増。
しかし、全日本選手権予選敗退、代表選考会を最後まで戦えなかった。
翌年2019年、もうこれ以上悔しい思いはしたくない…と365日24時間、体操のことを考える。
しかし、さらに代表争いに1ミリも絡めず、トップとの大きな差を感じる。
2020年はコロナ禍で東京オリンピックが1年延期。
あと1年、自分を変える大きなチャンスとして、自分の強み、あん馬、跳馬、鉄棒を磨き続ける。
2021年、大学4年間いろんな取り組みをしてようやく代表圏内、このままいけば夢のオリンピック選手…。
社会人1年目、120%の力を出し切ったが、目の前で夢はかなわなかった。人生2度目の補欠。
社会人2年目の2022年、パリオリンピックへの新たな戦いで、オフシーズンもずっと試合想定で演技を通しで練習。
そして代表選考…。落選、3度目の補欠。協議の引退も考える…。
2023年、地獄みたいな試合、代表争いにまたしても1ミリも絡まない…。
なぜ、諦めなかったのか…
夢の実現は山登りと同じではないか。山頂へのアタック、正解の登頂ルートは誰もわからない。ルートや取り組み自体を変え続け、アタックするしかない。
ルートは変わっても得た経験はそのまま持ち続け、登頂失敗しても改めて高みを上げ経験を積み上げてまた昇り始める。
オリンピック金メダルが目標に変わってから7年…「代表内定」…としてパリオリンピックでの戦いの様子も語った。
パリオリンピックを終えて、ありとあらゆることを試し思考を止めずに、がむしゃらにそれが僕を強くした。
がむしゃらに頑張ることはダサくない。
諦めながら歩んでいないか? ルート探索をやめていないか?~不正解はあるけど、正解はない…など伝えた。
質疑応答があり、会場からの質問にも丁寧に答えていた。
パネルディスカッションでは、鹿屋体大在学中の杉野選手のこと、伝えたメッセージや、東京オリンピックを目指しての演技のことや。パリオリンピックでの演技、指導者としての立場、支える側の立場、チームの一員としてやってきたことなどが話された。