2026年05月03日 15時11分

《雑草(コラム) 》

来年の春までに憲法改正「発議」をという高市総理だが…

 憲法改正論議が、高市政権になってさらに進められようとしている。
 報道機関によるアンケートでは、どちらかと言うと賛成ということも含め6割が評価し、自民党では7割だという。

 ただ、どの条文をどういった形で改正していくという具体的な内容がないままのアンケートではないか…などの指摘もあり、改正に対する国民の期待が膨らんできている今、もっと踏み込んだ議論が求められている。

 自民党の改正案は4項目。

 ▽憲法9条への「自衛隊の明記」
 日本国憲法には、国防規定すなわち「国と国民を守る」という国家最大の使命を定める規定が ありません。
 憲法に国防規定とその担い手である自衛隊を明記することで、憲法の欠落部分を補い、我が国の法体系を完成させます。

 ▽大規模災害などが起きた時に、内閣の権限を強化する「緊急事態条項」の創設 
 南海トラフ•首都直下型地震等の大規模災害や 感染症まん延等で、参議院の緊急集会でも対応 困難な有事に国会機能が維持できるよう、国会議員の任期延長を規定します。
 国会の機能不全への対処として内閣の緊急政令を規定します。

 ▽選挙での「1票の格差」を是正するため、2つの県を1つの選挙区にする「合区」を解消すること
 広域自治体(都道府県)と基礎自治体(市町村) など地方自治のあり方を明確化し、一票の格差を是正しつつ、地域の民意を適切に反映できる 選挙制度(参議院については合区を解消し、少なくとも各県一人)を実現します。

 ▽教育環境の充実。
 生涯教育•テジタル時代に対応した教育の理念を明記します。
 また、家庭の経済事情に左右されず 教育を受ける機会を確保するなど、教育環境の整備を国の責務として憲法に定め、行財政事情の 変化に影響を受けないようにします。

 どれも大事なことだが、特に憲法9条への「自衛隊の明記」についてが、関心が高いと思われる。

 そして、憲法改正の「発議」には、国会の3分の2以上の賛成、さらに、改正するには、その後の国民投票で過半数の賛成を得ることが条件になる。
 高市総理は、来年の春までに憲法改正の「発議」をする、つまり国会で憲法改正案を通し、国民投票を行うことに目途をつけたいと話している。

一部報道の残念でお粗末なアプローチ

 一部報道では、憲法改正の行方を、高市早苗vs抵抗勢力とか、改憲意欲のウラ側には高市政権の長期政権のカギに?…など政局と結びつけての論調が散見される。

 憲法改正、日本という国の根幹を変えていくという議論に対して、国民の存在そのものが見えてこない…という残念でお粗末なアプローチとなっていて悲しい。

 日本の報道の自由度は、62位だという。
 果たして高市政権が目指す来年の春までに発議という1年を切るこの短い期間で、こういった論調によって国民が納得できる改正ができるとは思えない。

 これからは、9条の条文のどの部分を変えて、自衛隊をどういう位置づけにするのかなどの、本当に具体的な論議が必要なのだろう。

 憲法に国防規定とその担い手である自衛隊を明記することで、憲法の欠落部分を補い、我が国の法体系を完成させます…という文言だけでは、何も中身が分からないに等しいと感じる。

何も中身が分からないに等しい文言

 今はネットで個人的にも、情報を得ることのできる時代。
 例えば検索して自民党のホームページを見てみると、日本国憲法改正草案資料などを見ることができる。
 これまでどんな形で憲法改正が主張されてきたかも、ある程度分かるようになっている。

 来年の春、それまで政局が中心に報道されたり、その内容があまり理解されないまま発議がなされ、いつのまにか国民投票に進んでいく…ということにならないよう、私たち個人としてもアンテナを張って注視していくことが大事だと考える。

 憲法改正、どの党がどんな形で主張しているかは別にして、来年春に発議がされるとなると時間は無いのかもしれないが、今の憲法の精神をも大事にしながら、時代が変わり、そぐわなくなった内容を精査し、そこに今の時代に合うように英知を絞り「加憲」していく…という形が、国民にとってもより分かり易いのでは…とも考えたりする。

 要はその議論の中身にもよるのだろうが、この世界が大きく揺れ動いている時代だからこそ、その時代に順応しながらも、国際社会に対してもぶれない軸も示していける日本であって欲しいと、そう願う。
 憲法記念日に感じたこと…。(米永20260503)

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