2025年04月12日 07時54分

《雑草 》

大隅半島民、県民にももっと知ってもらいたいこと…

 選挙の話…、4年前の2021年南大隅町長選は、核廃棄物処分場建設誘致が一つの大きな争点となり、選挙戦が繰り広げられた。

 今回も出馬の田中彗氏が、人口減少と高齢社会の現状を訴える一方で、「最終処分場建設は文献調査の受け入れで20億円、年間の町交付金の3~4倍の交付金、またボーリング調査等で70億円の交付金がある。まずは20億円で30万円を赤ちゃんからお年寄りまで配り、そして70億円の財源で、交通事故や急病の人が119番し、オンライン診療できるような安心出来る町をつくっていく」など訴え出馬したからだ。

写真=絶景、風光明媚な佐多辺塚地区

 南大隅町では、2009年の町長選の前から、過疎化で人口減の佐多地区で、核廃棄物処分場建設誘致の話が出始め、当時の税所町長と森田商工会長との関りも選挙戦で取り上げられた。

 2009年には森田俊彦氏が初当選。
 2011年には東北大震災があり改めて原発に対する意識が大きく変化。

 2012年12月には、南大隅町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持込みを拒否する。南大隅町は、いかなる場合も原子力関連施設の肝属地域への立地及び建設に反対する…などの南大隅町放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例が施行された。

 2013年には、森田町長再選。

決めるのは私たち住民だ…

 その前後で、今は、れいわ新撰組代表である山本太郎氏による「フクシマの放射能汚染とゴミ。南大隅町の『あの疑惑の真相』を語る」講演が南大隅町であった。

 また2015年には、原発を使わないという選択はできる、元総理大臣菅直人氏講演「福島原発事故の真実」、決めるのは私たち住民だ…も開催された。

 そして2017年、森田町長3選。このとき田中彗氏は立候補の意思を表明するも取り下げている。

 そうした背景がある中で前回の2021年、田中氏が「30万円を赤ちゃんからお年寄りまで配る」…など訴え立候補。
 その時は、そこまで言って委員会NPにも出演、元経産省官僚の石川和男氏が町を訪れ「今、南大隅町だからできること」と題して、核廃物処分場の安全性や交付金の詳細を説明している。

一自治体の話だけでなく意識

 何を伝えたいのかというと、これらは南大隅町長選の流れでのことだが、東北大震災が起こった現実を目の当たりにした私たちは、一自治体の話だけでなく、大隅半島全体や県全域にも関係のあることではないか…、鹿屋市に住みながらも、そう考え、なにかしら記事を書いてきた。

 この本土最南の地、大隅半島の一角で、水面下から考えると20年近く、核廃棄物処分場建設がかなり激しく選挙を通して、あるいは条例も制定され、議論もされ、町を揺り動かしてきている。

 町長選、町議選の直前になってこうして書くのは、一自治体の選挙であり、町外の私たちは直接関われないが、例えば鹿屋市民の多く、大隅半島民、県民の大多数が、この20年来の動きがあって、この13日投開票の選挙があるのだ…ということを、頭の隅に置いて、少しでも意識してもらいたいという思いがあるからだ。

ますます地域の中で深刻になって…

 今回の町長選と町議選の結果次第では、条例も変えることができるし、表立って争点にはなっていず、選挙戦でほとんどスピーカーされないことが、頭をもたげることもありえる、そういう選挙戦でもある…。
 繰り返すが、これは投票が絡んで町民に対してというより、町外の大隅半島民にももっと知ってもらいたい、そうした思いもあり記している。

 いよいよ明日が投票となる。選挙が終わってからも少し触れたいと思ったりするが、今後も、これら話題は尽きることなく続いていくのだろうと感じる。ますます地域の中で深刻になって…。(米永)

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