2025年01月16日 21時33分
《大隅点描 》
ホウホウホンガラ~池田地区の立神神社正月行事
正月2日、錦江町池田校区にある安水集落の立神神社境内にて正月行事が行われた。
神職である旗山神社の前迫芳文宮司は集落に入り、注連縄を新しく取り換え、クワンジョウシバ(願成楽)をつくる。
お祭りは安水集落代表ら祝詞(のりと)をあげる。
今度は外庭にて田起こし、田打ち、苗取りの行事に移る。
準備されていたシラス(火山灰)の盛土に田の線刻を刻む。そして田起こしの歌を歌いながら木の枝で田を起こす。
神職は神前にお供えの種籾と小さな榊を持って、アキ(東)の方向に向かって次の歌を歌う。
「サイヘイ、サイヘイ(神話)、おそれうやまって申す…」「あらたまの年の初めの門松は君に千歳はユズリハの松…」
そして木の枝(鋤)を高々とかかげ鳥を追いながら「ホウホウホンガラホウホウホンガラ」といって一連の正月神事を終える。
終わりに山岳に囲まれた池田校区は、全国にもれず戦後をピークに人口の減少、少子高齢化、さらには急激な時代の変容は如何ともしがたく、古来から行われていた祭り事の維持継承することが困難な状況を迎えている。
このよう中、国(文化庁)は、重要な無形民俗文化財については、記録作成等の措置を講ずべきとして「池田の柴まつり」を指定した。
つまり記録文書作成、映像で永久に保存することで消滅の危機に対応したものである。
記録文書については令和5年3月に調査報告書が作成され、錦江町図書館にて見ることができます。
大隅の自然、歴史研究
坂元二三夫