2025年07月14日 21時53分
《大隅点描 》
高隈山のクマヤマグミ~環境省の絶滅危惧ⅠA類
6月26日高隈山は雲がかかっていたが、垂水市側の林道に車を停め入林した。
しかしのち小雨で植物の調査、撮影条件は最悪だった。
ただ、6月中のクマヤマグミ(グミ科)の撮影が目的であったので、標高1000㍍付近の山中を4時間近くさ迷う中、3本目でやっと赤い実をつけたクマヤマグミを発見した。

うれしさと感動的で、それまでの疲れも吹き飛んでしまう。
高隈山の名にふさわしいクマヤマグミは、落葉小高木で幹の直径は10㌢にも達し、高さは3㍍が限界で、幹は途中から横に倒れるように伸びる習性があり、実際の幹の長さは6㍍前後に達する。
幹や太い枝には長さ2㌢から3㌢の鋭いとげがある。
一方、葉は薄く小さく葉裏は白い銀色で長さ3㌢から3・3㌢、幅1㌢から2㌢の長楕円形で先は尾状となる。
赤い果実は広楕円形長さ約13㍉で、四国、九州の山地に分布し、高隈山が南限となっている。
分布地は広いが点在的で個体が少なく、環境省の絶滅危惧ⅠA類に指定されている。
高隈山における個体は約30本くらいと推察される。
大隅の自然、歴史研究
坂元二三夫