2025年07月05日 15時29分

《雑草 》

参院選 もっと農業が争点や話題になってほしいとも思う

 参院選がスタートし、鹿児島選挙区では4候補がそれぞれ政策等を訴えている。

 国政選挙なので物価対策、消費税のことなどが争点で、国の施策のことが大事だが、今回のコメ騒動のこともあり、農業についてどんな考えをお持ちなのかを知りたいと思った。

 特に、鹿児島県は農業県であり、観光とともに稼ぐ力を…と言われている。

 鹿児島和牛も全共で日本一となり、特に大隅半島は、南宮崎地区とともに畜産が盛んで、都城、鹿屋、曽於と一大生産地だ。

 生産は日本トップでも、販売につていはどうなんだろうと、いろいろ調べてみた。

 和牛についての有名デパートのお中元ランキングを見てみるとトップが松阪牛。
 そして山形牛、神戸ビーフ、近江牛、飛騨牛、米沢牛、佐賀牛、前沢牛、高森和牛、北海道ビーフなどで、上位生産地のそれぞれの部位が別々でランキング入りしたりして、鹿児島牛は50位ランク外。

 通販サイトでのランキングではやはり松阪牛がトップ。
 神戸牛、飛騨牛、近江牛、米沢牛、前沢牛、佐賀牛、仙台牛、但馬牛、山形牛、上州牛、みえ黒毛和牛、みかわ牛、見島牛、常陸牛、オリーブ牛(香川)、十勝和牛、三田牛と続くが、20位に鹿児島牛、21位に宮崎牛、23位くまもと黒毛和牛となっている。

和牛日本一、荒茶日本一は国内外でどういう評価なのか…

 先日、全国牛飼い女子サミット「第12回全国モーモー母ちゃんの集いinかごしま」が開催され、北海道から沖縄までの女性生産者が集まった中の基調講演で、次の指摘があった。

 2021年だが、牛肉(枝肉)生産量は世界で7676万㌧、日本は47万㌧で0.6%、和牛肉は0.3%。

 牛肉輸出量は、世界で999万㌧、日本は1万㌧、和牛肉は0.1%という。

 2012年の農林水産物等の政府目標は、2019年には全体で1兆円、牛肉300億円が結果296億円で、おおむね達成。
 2025年には牛肉1600億円の目標だが、2024年は648億円だったという。

 日本の和牛生産は世界で0.3%、輸出量は0.1%という数字もだが、この大隅半島に住んでいて、和牛日本一になったと喜んでいて、全国でも有名になっているのではとは思っていた。

 ただ、国内でのランキングを見ても鹿児島牛はほぼ知られていないのでは、という思が強い。

 一つには繁殖農家が多く競り市で肥育牛農家へ送り出すという地域でもあり、最近は、この地域にも大規模化され一貫あるいは肥育農家も増えてきているので、まだまだこれからなのだろうが、もっと政策的にも歩みを早めて欲しいとは思う。

 農業のそうした部分にも鹿児島選挙区では、争点とは言わないが、話題になってほしい。

 そして、鹿児島のお茶も荒茶生産で静岡を抜いて1位になった。

 これも少し調べてみた。
 有名デパートお中元ランキングでは、
 飲料大手のペットボトルやブレンド茶を除くと、上位は、宇治茶、静岡茶の詰め合わせ等がほとんどで、16位に宇治茶や静岡茶に八女茶、嬉野茶、知覧茶の詰め合わせが入っているくらい。

 荒茶生産日本一だが、販売のほうは振るわず、それはペットボトルの原料になったり、他の産地へ流れているということか。

 近年は、世界的な日本食ブームやヘルシー志向により、日本の緑茶の輸出量が増加。

 先日は、お茶に関する取材を続けてしたが、鹿児島茶の海外輸出の話題にもなった。

 抹茶そのものの輸出、その原料としての碾(てん)茶の生産農家も増えているという。
 抹茶は、洋菓子やカフェメニューのフレーバーとして認知され、また、EUの一部の国や台湾ではリーフ茶も好まれていると聞いた。

 ただ、ブランドとしての鹿児島茶、鹿児島黒牛はまだまだであり、生産高日本一とかが言われ農業県としては県内では盛り上がっているものの、生産者の苦労が、製品としての販売や輸出にまで繋がっていない。

生産者に加え消費者の立場からも農業をもっと考えよう

 稼ぐ力としての農業。
 今回の令和のコメ騒動を見ていて、流通の仕組みも不全と思うが、生産調整をしてきた施策からの後継者不足も重なり、生産者に対する支援策も含めてこうした選挙のタイミングでもっと議論になってほしいと思う。

 歯止めの効かない物価高が続いており、農業県、日本一…という食材が多い地域だからこそ、私たちの生活に直接関わってくる食の問題でもある。

 どの候補者がこうした問題の課題解決に意識を持って訴えているのか、生産者に加え消費者の立場からも、この選挙、候補者の訴えている内容を、そういった視点からも考え、投票してほしいと思う。(米永20250705)

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