《教育・社会 》
インターネットと人権侵害~鹿屋市人権問題講演会
令和6年度鹿屋市人権問題講演会が、12月7日、コミュニティセンター吾平振興会館で開催され、人権標語・人権ポスターコンクール表彰式と人権問題講演会があり、多くの地域住民が、インターネットと人権侵害の演題で話を聴いた。
講演会の講師は、吉川誠司氏(WEB110主宰)
1996年10月にWEB110(ウェブワンテン)を開設し、様々なネットトラブルの相談にボランティアで対応するとともに、警察庁や内閣官房など数多くの政府系研究会の委員等も歴任し、トラブルの最前線にいる立場からネットの健全化に向けて提言。
また、警察庁の委託事業であるインターネット・ホットラインセンターのセンター長として違法・有害情報対策に取り組み、「誹診中傷ホットライン」に外部アドバイザーとして関わるなど、インターネットの諸問題に幅広く関わってきた経験を活かし、現在も啓発活動を続けている。
講演では、インターネットを悪用した人権侵害の代表例として、ネットいじめ。SNSでの誹謗中傷、AIによるディープフェイク、デジタル性暴力などで、ネットいじめの実例を挙げ、ネットいじめの特徴は、誰が自分をいじめているか特定できない、曜日、時間、場所を問わず常にいじめられる、いじめの影響が学校の中だけにとどまらない、なりすましが容易、いじめの把握は容易だが、解決は困難など。
大阪市いじめ対策基本方針では、隠蔽したら「非違行為」として学校、教師を懲戒処分、重篤ないじめの加害生徒を「個別指導教室」で指導、回復すべきは「人間関係」よりも「個人の尊厳」、未確認でも被害者として扱う、犯罪行為はすべて警察に通報、被害生徒よりも先、に加害生徒に転校の意志を確認す、出席停止措置をためらわない、被害者を流言、噂などの二次被害から守る。
回復すべきは「人間関係」よりも「個人の尊厳」であり、学級その他の集団や仲間の人間関係の回復は、望ましいことではあってもいじめ事案への対処の一義的な目的ではない。
例えば、仲直りによる解決を目指し、かえって事態を悪化させることもある。
集団づくりを至上の価値としがちな我が国の教育界において見失われがちな観点であるのでこの点け特に強調する必要がある。
いじめ対策として、当たり前のように、集団づくり、心の通う人間関係、学級の絆、等々、「集団生活を強調する傾向が見られるが、いじめ対策の理念として強調すべきは「集団」で」よなく「個人」のり尊厳である。
法第1条がこの法律の目的として「児童等の心厳を保持するため」と謳っている通りである。
インターネットを悪用した人権侵害の特徴は、昼夜を問わずどこからでも嫌がらせが可能、瞬時に広範囲に害悪を及ぼすことができる、全く面識のない人からいきなり標的にされる、なりすましが容易、責任追及や話し合いによる解決が困難などで、その実例を挙げ、その相談窓口を紹介。
生成AIの到来で、実写と見分けがつかない画像や巧妙な偽情報が容易に生成できてしまう、ますます情報リテラシーが求められるディープフェイクやデジタル性暴力を説明。
ネットを悪用した人権侵害を減らすために何か必要か、対象療法としての人権救済制度の拡充として被害者救済に必要な法律、ルール、手続きの整備と相談窓口の拡充。真実とウソを見抜く力、情報リテラシーとネット上でしてはいけないことの情報モラルなど。
子どものSNSを見守り、トラブルを未然に防ぐ「Filii(フィリー)」hhttp://www.fllli.net/
いじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」https://school-guardianjp/service/school-sign/
ネットいじめ・学校裏サイト対策 「スクールガーディアン」https://schooi-gualdlan.jp/service/netpatrol/などを紹介した。