《教育・社会 》
税務行政DX、税務行政の将来像は~正しい納税者の集い
鹿屋市青色申告会、肝属地区青色申告会連合会
鹿屋市青色申告会、肝属地区青色申告会連合会の第53回正しい納税者の集いが、令和6年11月12日、鹿屋商工会議所で開催され、税務研修と講演があった。
風呂井敬会長のあいさつ、鹿屋税務署の松元聖二署長 、鹿児島県大隅地域振興局県税課の上園信幸課長、鹿屋市総務部税務課の長嶺健二課長の来賓あいさつ。
写真=あいさつする風呂井会長
青色申告会活動報告があり、鹿屋税務署の個人課税第一部門の岩永春貴統括国税調査官による「確定申告における留意事項」の税務研修があった。
令和6年度税制改正等の概要として、所得税の定額減税。
デフレ完全脱却のための一時的な措置として、令和6年分所得税の減税を実施。減税額は、納税者及び配偶者を含めた扶養家族1人につき3万円(住民税は1万円)。
合計所得金額1805万円(給与収入2000万円相当)超の高額所得者は、減税の対象外。
減税の実施方法として給与所得者の場合、賞与を含む給与収入については、主たる給与支払者の6月の源泉徴収税額から減税を実施。
不動産所得・事業所得者等の場台、原則として確定申告の機会に減税を行う。ただし、予定納税の対象者については、予定納税の機会を通じて減税を実施する。
子育て支援に関する政策税制について、子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充などの説明があった。
写真=岩永統括国税調査官による税務研修
鹿屋税務署の松元聖二署長による講演「これからの税務行政」では、税務行政のデジタル・トランスフォーメーション、税務行政の将来像としての内容、税務手続のデジタル化や業務におけるデータの活用など、税務行政のデジタルを活用した、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直しに取り組んでいること。
実際に納税者が「申告要否や手続を調べ、相談し、申告・納付する」といった一連の流れ全体を俯瞰し、最適なUI/UXの改善を図っていくため、想定される典型的な納税者像(ペルソナ)を設定し、当該ペルソナが税務手続を行う際のカスタマージャーニーを具体化することにより、現状の問題点を可視化する…などを聴いた。
写真=鹿屋税務署の松元署長による講演
申告手続の簡便化で給与情報等の自動入力の実現、年末調整手続の簡便化、キャッシュレス納付の推進、公金受取口座を利用した還付、課税・徴収事務の効率化・高度化等 “データの活用”の徹底などの取組。
AI・データ分析の活用、関係機関への照会等のデジタル化、事業者のデジタル化促進についての取組、デジタル関係施策の周知・広報、各種団体等との連携・協力、電子帳簿等保存制度など話した。
国税庁の使命と、税務行政の将来像については、松尾芭蕉が唱えた俳句の概念「不易流行」、税務行政のデジタル化と事業者のデジタル化については近江商人の経営哲学「三方よし」などの例を挙げ、説明した。