2024年11月10日 14時11分

《大隅点描 》

実生のタカクマムラサキ~初めてであり感動

 2021年12月31日に、鹿児島県桜島の東に位置する高隈山系刀剣山麓にて発見したタカクマムラサキ(シソ科)の枝から挿し木で育てて以来、2年10ケ月になり、2年目で花を咲かせ種子も付けるなど、高さも4㍍前後に達した。

 現在は15本を管理、育成しているが、葉や枝にシソ科特有な香り(ジンの香り)があり、油虫など様々な昆虫が香りを求めて宿るため管理が大変で、病害虫の発生、また強風で折れやすい性質を持つことも調査で分かってきた。

 一方で香りが1年を通じてあり、花の付け方が集散花序で、紫色の花が花床で踊っているように見え、メルヘンの世界となる。

 また落葉広葉樹でありながら、葉を落としてもすぐに再生はが現れ、1年を通して緑葉を保ち、常緑広葉樹にも見え、景観木として四季が楽しめる特長がある。
 
 写真は10月28日に撮影したもので、今年初春に落下した種子から発芽した幼木の実生である。

 実生によるタカクマムラサキは初めてであり感動であった。

 大隅の自然、歴史研究
 坂元二三夫

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