2024年09月15日 18時03分

《食・物産 》

さわやかな酸味とおだやかでふんわりとただよう香り

肝付町内之浦地区で「辺塚だいだい」のはさみ入れ式

 辺塚だいだいの収穫が始まり、はさみ入れ式が令和6年9月11日、肝付町内之浦地区、迫辰巳さんの農場で行われ、それぞれ辺塚だいだいを使った「KIRIN本絞りプレミアム」の紹介と、料理やソーダ、ジュースが振舞われた。

写真=JA鹿児島きもつき東部ブロック女性理事の宮後浩美さんらがハサミ入れ

 辺塚だいだいは、肝付町内之浦と南大隅町佐多の町境周辺の辺塚集落に古くから自生・栽培していた柑橘で、出荷量が年間約50トンとたいへん希少な果実。

 平成29年12月には、国が農林水産物や食品をプランドとして保護する地理的表示、GI保護制度に登録。
 その呼び名からダイダイと混同されがちであるが、果実や樹の特性が全く異なる別の品種で、その果実は、ダイダイに比べて小ぶりで皮が薄く滑らか。

 また、果汁歩合は50%前後と豊富で、早い時期に収穫したものは酸味も強い。さらに、果皮には、ライムにも似た独特な香りがある。

写真=鹿児島きもつきベジブル内之浦部会の中野正輝部会長㊧と鹿児島きもつき農業協同組合の中野正治代表理事組合長がPR

 収穫が始まる8~10月頃は、果皮・果肉とも鮮やかなグリーンで、酸味、果汁が多いことから、地元では、酢の代用品として使用される天然の調味料でもある。

 11~12月になり果皮がグリーンから黄色になる頃には酸味も抜け、やわらかな酸味とさわやかな風味となり、その時期の果汁は、この地域でしか手に入らない貴重な地産地消の加工食品の原料として地元の加工業者から重宝されてきた。

 また、県内飲食店、県内醸造メーカーからは、苦みを帯びるダイダイに比べると、「辺塚だいだい」はさわやかな酸味とおだやかでふんわりとただよう香りが特徴で、ポン酢やドレ・ジンクの原料として使用すると最適であるとの評価を受けている。

 この日は、鹿児島きもつきベジブル内之浦部会の中野正輝部会長、鹿児島きもつき農業協同組合の中野正治代表理事組合長がそれぞれあいさつ。

 来賓を代表して、肝付町農業振興課の竹之下記興課長が祝辞。
 今年の生産状況について、鹿児島きもつき農業協同組合特販課の南恭平氏が説明。
 
 テープカットがあり、ハサミ入れ式が行われたあと、11月19日から全国で発売される冬限定「KIRIN本絞りプレミアム~5種のかんきつと辺塚だいだい」の紹介と、辺塚だいだいの果汁をかけ輪切りを添えた豚肉を使った料理、ソーダやジュースが振舞われた。

 辺塚だいだいのR5年産実績は、青果用4449㎏、加工用50㌧。
 R6年産計画は、青果用5000kg、加工用45㌧

 R6年産栽培戸数は、肝付町62戸 南大隅町8戸、計70戸

 青果市場販売先は次の通り。
 関東(荏原青果・東京シテイ・横浜丸中)、関西(大阪中青・東果大阪・大阪北部中央青果)、県内(くみあい食品・鹿児島中央青果)、その他(寿福産業・くみあい食品・どっ菜市場)。

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