2025年03月05日 15時16分

《医療・福祉 》

錦江町一般会計予算 前年度比3.6%増の79億6632万円

 令和7年第1回錦江町議会定例会は、3月3日開会され、会期を19日までの17日間と決めたあと、諸般の報告、事務報告、監査の結果報告、陳情の受理等報告、行政報告、町長行政一般の事務報告があり、次の議案が上程された。

 令和7年度一般会計予算総額は、前年度比2億7444万円、3.6%増の79億6632万円となった。
 なお、一般質問は17日、18日の予定となっている。

令和6年度錦江町一般会計補正予算(第10号)
令和6年度錦江町国民健康保険事業特別会計補正予算(第5号)
令和6年度錦江町後期高齢者医療事業特別会計補正予算(第3号)
令和6年度錦江町介護保険事業(保険事業勘定)特別会計補正予算(第4号)令和6年度錦江町水道事業特別会計補正予算(第3号)
令和6年度錦江町農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)
錦江町職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
錦江町職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
錦江町監査委員条例等の一部を改正する条例
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例
地方公務員法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例
錦江町重度心身障害者医療費助成条例の一部を改正する条例
錦江町はり、きゅう等施設利用条例の一部を改正する条例
錦江町子ども医療費助成条例の一部を改正する条例
錦江町神川キャンプ場条例の一部を改正する条例
錦江町鹿児島県立南大隅高等学校生徒寮条例
錦江町文化振興基金条例
以上の議案は原案可決。

新田敏郎町長の施政方針について提案理由を含め説明があり、総括質疑のあと次の議案が予算審査特別委員会へ付託された。
令和7年度錦江町一般会計予算
令和7年度錦江町国民健康保険事業特別会計予算
令和7年度錦江町後期高齢者医療事業特別会計予算
錦江町介護保険事業(保険事業勘定)特別会計予算
令和7年度錦江町介護保険事業(サービス事業勘定) 特別会計予算
令和7年度錦江町水道事業特別会計予算
令和7年度錦江町農業集落排水事業特別会計予算

 令和7年度錦江町一般会計予算編成概要は次の通り。
 燃料費や光熱費、食料品など直面する物価高騰により、日常生活や経済活動に大きな影響がでていることから、一刻も早くこの事態を収束するべく、令和7年度も引き続き最優先、最重要課題として施策を進めてまいります。

 令和7年度当初予算編成にあたりましては、まちの将来を見定め、多様化する課題に対応し、錦江町に暮らす全ての人が安心して生活できるまちづくりを進めるための指針として策定を進める、第3次錦江町総合振興計画における五つの基本計画に沿った予算編成を行い、令和7年度の一般会計当初予算総額は、前年度比2億7 444万円、3.6 %増の79億 6632万円と、昨年度に引き続き過去最高額となりました。

 当初予算の性質別歳出予算の状況は、人件費が12億3049万7千円で予算に占める割合は15.4%、物件費12億154万1千円で15.1 %、扶助費9億5219万9千円で12.0 %、補助費等10億4961万4千円で13.2 %、普通建設費は令和6年度が最終年度となる合併特例事業債を活用した公共施設の除却や観光施設整備などの事業完了により、前年度比6, 763 万1千円の減となる18億2226万円で22.9 %、公債費9億3089万7千円で11.7 %となっております。

 歳入予算の状況は、自主財源である町税が6億62万3千円で予算に占める割合は、7.5%、地方交付税は、32億9952万5千円で41.4%、国庫支出金7億2182万6千円で9.1 %、県支出金4億9038万4千円で6.2 %、町債13億1150万円で16.5%とし、不足する財源につきましては、これまで積み立ててきた基金を取り崩して財源に充てました。

 今後も、地方財政をめぐる国の動向を注視しながら、自主財源の確保、経常経費の抑制に努め健全財政を維持するとともに、錦江町総合戦略等の取り組みを着実に実施し、希望あふれる未来を子どもや孫たちに渡すため持続可能なまちづくりを進めてまいります。

令和7年度施政方針の内容は次の通り。

~すべての人が自分らしく幸せに~

 国の令和7年度一般会計予算案においては、経済・物価動向に配慮しつつ、重要政策課題への対応として、複数年度で計画的に取り組んでいる防衛力の抜本強化や、「こども未来戦略」に基づくこども・子育て支援の本格実施、また地方創生交付金の倍増などにより、過去最大規模となる115兆5415億円となりました。

 歳入面では、賃上げや物価高などを背景に所得税、法人税などが増加し、前年度比12.7 %増の78兆4400億円と過去最大を更新したものの、不足する財源に対し、新たに28兆6490億円の国債を発行することとしております。

 当面の経済財政運営と予算編成に当たっては、「経済財政運営と改革の基本方針2024」に基づき、賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現に向け、デフレから完全に脱却し、成長型の新たな経済ステージへ移行 するための取組として、物価上昇を上回る賃上げの定着や、構造的価格転嫁の実現、成長分野への戦略的な投資など短期的な5つのアクションと、社会課題解決をエンジンとした生産性向上と成長機会の拡大や、経済・財政・社会保障の持続可能性の確保、地域ごとの特性や成長資源を活かした地域社会の形成など、中長期的な5つのビジョンが掲げられているところであります。

 本年2月4日に閣議決定され、国会に提出された地方財政計画では、 社会保障関係費、人件費の増加や物価高が見込まれる中、地方公共団体が、様々な行政課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるよう、地方交付税等の交付団体べースの一般財源総額について、63兆7714億円が確保されているほか、地方交付税総額は、前年度を2904億円上回 る18兆9574億円となる一方で、地方財政の健全化に取り組んだ結果 臨時財政対策債については、平成13年度の制度創設以来、初めて発行額がゼロとなりました。

 また、本年2月7日に鹿児島県が発表した令和7年度一般会計予算案は、前年度比1.5%増の8527億3400万円で、基幹産業の稼ぐ力の向上や総合的な少子化対策、担い手不足の解消に向けた人材確保・育成策、また、能登半島地震を踏まえた防災対策の更なる充実・強化への取組など、2年ぶりのプラス編成となったところであります。

1 働く世代の元気

◆はじめに
 今回、令和7年度を初年度とする町の最上位計画であります「第3次錦江町総合振興計画」を策定しているところであります。

まちの将来像を支える政策の柱として、「働く世代の元気」、「子どもの元気」、「高齢者・障がい者の元気」、「自然・環境の元気」、「地域の元気」の5つの元気を掲げ、まちの基本理念についても「すべての人が自分らしく幸せに」へと改訂する素案を策定しました。

人口減少や少子高齢化の進行、生活スタイルや価値観の多様化など、町民生活を取り巻く環境が大きく変化する中で、人と人だけでなく、人とまち、人と自然が共生することにより、それぞれの魅力が高められ、本町で暮らす全ての人が、それぞれの幸せを実感し、「住み続けたい」、「住んでみたい」、「戻ってみたい」、「関わってみたい」と思える錦江町を目 指してまちづくりを進めてまいります。

 今回、ご提案させていただきます令和7年度一般会計予算総額は、前年度比2億7444万円(3.6 %)増の79億6632万円となりました。

性質別歳出予算の状況及び歳入予算の状況につきましては、別添資料のとおりとなっております。

 税収の確保につきましては、町民の皆様から信頼される公平で公正な 税の賦課と納付指導、収納率の向上が極めて重要であります。
厳しい経済状況の中にあっても、やりくりをされながら、町税を完納 していただいている方々の納税意識を大切にし、更なる公正・公平を保つ取組を強化してまいります。

 それでは、令和7年度に取り組むその他の主な事業等について、第3 次錦江町総合振興計画の五つの基本計画ごとにご説明申し上げます。

 まず、はじめに、 1 働く世代の元気についてですが、

 新規就農者や後継者確保のため、「農業次世代人材投資事業」などを活 用し、農業を担う人材育成に引き続き努めるとともに、スマート農業などの経営力強化のための新技術の情報や、学習の機会を提供してまいり ます。

 さつまいも基腐病などの疫病対策につきましては、新たに国の「農地耕作条件改善事業」により、土層や排水対策等の改良事業を支援してまいります。また、台風や寒波など異常気象による農作物被害に備えた収 入保険の加入など経営安定に向けた支援を継続してまいります。

 畜産につきましては、肉用牛の生産性と商品価値の向上を図るため、 優良繁殖雌牛の更新を支援してまいります。また、輸入飼料に代わる飼料確保のため、新品種飼料の栽培と給餌後の栄養状況を検証する実証事業を引き続き実施し、経営コスト削減向け支援してまいります。

 近年、市場価格が低迷している荒茶については、町内企業の協力により、昨年より海外向け販路の確立に向けた取組を行っております。引き続き関係機関と連携し、市場調査や加工品の試作を行うとともに、有機 J ASの取得支援など環境に配慮した農業の推進を図ってまいります。

 労働力不足の解消や繁忙期における季節労働需要の確保を図ることを目的に設立しました「錦江町MIRAIサポート協同組合」は、現在、組合加入11社、派遣職員5名という体制で順調に事業が進んでおります。

この事業は、町内の労働力不足の解消だけでなく、地域づくり人材の確保、地域経済の活性化といった側面も持っておりますので、引き続き 同組合と連携しながら事業の拡大を図ってまいります。

 事業継承につきましては、後継者がいないことによる事業廃止などが増加し、商工業の振興のみならず、町内のインフラ維持などにも大きく影響することが懸念されることから、新たな補助制度も含めて検討し、支援することとしております。

 「錦江町重点支援ローカルべンチャー事業」については、町外からの 起業希望者のみならず、事業の拡大や新規事業を検討している町内の方々に向けても、セミナなどを開催し、事業創出を支援しており、町 内の産業構造の変化や共創基盤の強化に資する取組も実施してまいります。

 本町の産業を支えてくれております技能実習生等が、安心して楽しく 暮らして行けるよう、国際交流員による困りごと相談や日本語教室の開催、日本文化の体験、地域住民との交流といった多文化共生の取組により、外国人材の定着を図ってまいります。

 生涯学習講座につきましては、来年度から、新たに児童生徒を対象とした講座を開き、より広い世代が学べるようにしていきたいと考えてお ります。

 ワーケーションにつきましては、昨年度から、大手通販サイトと連携し、主にクリエーター(ものづくり)の方々の誘致を目指す取組をはじめました。
 令和7年度は、クリエーターの方々の活動の拠点として、学校跡地や空き家等を活用できないかなど、クリエーターの課題を錦江町の課題と掛け合わせ解決するための方策を検討し、移住や二拠点生活 繋がる可能性を見出す取組を積極的に行ってまいります。同時に、クリェーターと連携し、錦江町の農産物や地域資源を活用した新たな商品開発にも着手してまいります。

 サテライトオフィス誘致につきましては、現在、多種多様な企業が5 社進出し、錦江町の課題解決に向けた取組がまさに始まったところです。

 町内農産物の加工品の海外に向けた販路開拓や、都市部でのIT企業の困りごとを地方で解決するための取組などにより、雇用の場が生まれ、 移住やふるさとへのUターンがどんどん進んできておりますので、この ような企業との連携をより一層深め、新たな事業の創出や付加価値を生 み出せるような活動を行ってまいります。

 特定健診受診率、がん検診受診率の向上による健康増進については、平成20年度より、生活習慣病の要因となるメタボリックシンドロームを対象とした特定健康診査・特定保健指導が保険者に事務づけられました。
 錦江町では、制度開始以来、特定健康診査実施計画をもとに、様々な取組を行っており、令和4年度には、国の目標値である60 %以上を達成し、64.8 %の受診率となっています。

 今後も、広報、受診勧奨等の取組を行い、メタボリックシンドローム及びそれに伴う各種生活習慣病の発症や重症化の予防を図ってまいります。

 併せて、わが町の死因の第1位であるがん(悪性新生物)についても、傷病別医療費でも最も高い状況となっておりますことから、同様の取組を強化してまいります。
子育て世帯が住み慣れた地域で安心して子育てができるよう、来年度から県土木事務所跡地に、1戸建て住宅10棟の子育て支援住宅の建築に着手し、若い世代の町内定住を図ってまいります。

 教育費の負担軽減に きましては 令和7年度から、新たに小中学生の学校教育に係る各種教材費、修学旅行バス代等への補助を行うことで、保護者の経済的負担の軽減を図ります。また、高校生以上を対象とした 「でんしろう奨学金制度」も継続してまいります。

 ふるさと納税につきましては、町の取組や理念、寄附金の使い道などに共感してくださる方々との関係を深め、関係人口の創出・拡大を図ることを目的に取り組んでまいります。また、返礼品事業者と協力し、町の魅力を発信するとともに、町内の経済効果の向上につながるように努力してまいります。

2 子どもの元気

 次に、 2 子どもの元気についてですが、

教育につきましては、まず、小学校の統合の件がございます。統合校へ移る児童が安心して学校生活を送れるように児童同士の交流を含め、様々な対応策を考えているところです。

また、児童生徒が主体的に学ぶ学習を進めることで、知育・徳育・体 育の充実を図り、学力向上はもとより、たくましい心の育成に努めてま いります。

 保育園留学、親子山村留学につきましては、町外・県外の児童生徒と日常的に交流することで、多様な文化や考え方に触れ、幅広い交友関係を築けるようにしてまいります。さらには、保育園留学から親子山村留学へつなげていくことで、将来における交流人口の創出を目指します。

オンラインによる交流学習につきましては、学校間の遠隔授業やテレ ビ会議等を行うことで、児童生徒同士が幅広い考え方に触れ、お互いの 思考力を高めるとともに、多くの友達と触れ合う機会を創出します。

 キャリア教育につきましては、児童生徒の職業観・勤労観を育み、自 立した人生観を養うとともに、限られた地域資源の中で「じぶんゴド」として課題を認識し、その課題に挑戦できる世界基準の人材を育成するため、各年代に応じた教育を実施してまいります。

 また、南大隅高校生と連携した動画作成、幼少期におけるSTEAM教育なども引き続き実施し、子供たち一人ひとりが自分らしく学べる機 会を創ってまいります。

 公営塾につきましては、引き続き、無料とし、児童生徒の家庭学習の補完、基礎学力の向上を目指すとともに、Al教材を導入することで、 自分らしく学べる個別最適化を図ってまいります。

 英語教育につきましては、ALT (英語指導助手)、AEA (英語活動支援員)を配置し、外国人とのコミュニケーション能力を高めたり、外 国の文化や言語を直接学んだりする学習を推進していきます。

 また、夏休みを利用して、小中学生を対象としたイングリッシュディ キャンプを実施し、より楽しく活動的に英語に触れる機会を設けます。

 さらには、中学校生徒の英語検定料を全額補助し、中学卒業までに英 検2級合格者を2名以上輩出することを目指します。

 児童生徒の健康につきましては、性に関する問題や喫煙・飲酒・薬物 乱用、がん教育など、健康課題の解決に向けて、学校医や関係機関等と の連携を図り、学校教育全体を通した保健教育を推進します。

 健康教室、予防接種の推進、歯科予防の充実につきましては、妊娠期 からの切れ目のない伴走型支援として、健康教室や乳幼児健診事業等、母子等に対して心身のケアや育児のサポートなどを行い、産後も安心し て子育てができる体制の確保を図ってまいります。

 歯科予防の充実については、赤ちゃんのうちから定期的に検診をうけ、保護者の方が正しいプラッシング方法や適切な食生活について学ぶために、歯科医師等と連携して歯科検診や教室を行い、虫歯予防に努めてまいります。

 学校給食につきましては 安心・安全な食材の使用や地場産物の積極的な活用を進めるとともに、地場産物購入費を補助することで、保護者の負担軽減を図ります。

 また、学校給食を活用し、栄養教諭を中核とした食に関する指導を行うことで、栄養バランスや食事の重要性など、食に関わる資質や能力を 高めていきます。

 生活困窮・自殺対策につきましては、自分の居場所や人とのつながりを持っことができる、新たな支援拠点の整備に向け検討を行ってまいります。
 また、「錦江町自殺対策計画」に基づき、引き続き関係機関と連携し、自殺に追い込まれることのないまちづくりにも取り組んでまいります。

3高齢者-障がい者の元気

 次に、3高齢者-障がい者の元気 についてですが、

 障がいのある人が自立した生活を送れる環境整備につきましては、法に基づく国・県の支援施策を活用しながら、支え合う地域づくりのため に、基幹相談支援センター等の関係機関と連携し、障がい者の特性に応 じた相談支援体制の充実を図ってまいります。

 また、様々な社会課題がのしかかり、「生きづらさや働きづらさ」を感 じている障がいのある方の一般就労への雇用促進にも取り組んでまいります。

 地域福祉の推進につきましては、複雑化・複合化する支援ニーズに対して、高齢者、障がい者、生活困窮者など、属性・世代を問わない、重層的支援体制の構築を進めてまいります。また、いつまでも社会とのっ ながりを保ち、健康寿命を延ばすことによって、住み慣れた地域で、生き生きと過ごせるように、「みんなの居場所づくり」も同時に進めてまいります。

 知症対策につきましては、「認知症の方が生活しやすい錦江町」づくりを目指し、①普及啓発、②認知症カフ=、③まちづくりの3つの柱で 取組を行ってきておりますが、引き続き、町民の有志の皆さんや事業者等と連携しながら、認知症フレンドリーコミ=ニティ構築に向けた取組内容の充実を図ってまいります。

 また、認知症の方だけでなく、様々な立場の方々が利用しやすい環境を作り出すため、公共施設に設置されたトイレのユニバーサルデザイン 化にも取り組むとともに、歩道が整備されている箇所で、電動力ーや高齢者・障害のある方などが安全に通行できるよう、歩道の勾配の緩和や段差の解消、傾斜の改善等により、だれもが安心して利用できる優しい歩道づくりについて関係機関に要望してまいります。

 地域公共交通につきましては、バス事業者の運転手不足等による路線 バスの減便や廃止が続いておりますことから、高齢者や運転免許証を有 しない交通弱者や高校生等が、買物、病院受診、通学での日常生活に支障をきたさないよう隣接市町とも連携しながら、公共交通の維持に努めてまいります。
 また、自動運転やライドシェアなど、新たな交通手段の 検討も進めてまいります。

4自然・環境の元気

 次に、4自然・環境の元気についてでですが、

 まず、農村地域の過疎化、高齢化、混住化等の進行に伴う集落機能の 低下により、地域の共同活動によって支えられていた多面的機能の発揮 に支障が生じております。

 また、共同活動の困難化に伴い、農用地、水路、農道等の地域資源の保全管理に対する担い手農家の負担の増加が懸念されております。

 このようなことから、農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るため、多面的機能支払交付金を活用するなど、地域資源の適正な保全管理に係る共同活動を引き続き支援してまいります。

 空き家対策につきましては、居住可能な空き家は「空き家バンク」 の登録を呼びかけ、引き続き空き家の有効活用を図ってまいります。

 また、空き家対策事業の一つであります「空き家解体撤去補助事業」につきましては、令和6年度で事業終了する予定としておりましたが、新たに、令和7年度から5年間の事業延長を行うとともに、補助率及び補助上限額についても近隣市町並みに引き上げましたので、引き続き危険空き家の所有者等へ事業周知を図り、危険空き家の解体を進め、安心で快適な住環境整備に努めてまいります。

 木育活動につきましては、昨年度、小学生を対象に、広葉樹を種子から育て植樹することを目指し、「どんぐりプロジェクト」を実施しました。

 令和7年度につきましては、川上から川下までの多くの関係者ととも に植樹する機会を設けることとしております。

 将来の地域農業のあり方や、農地の効率的かっ総合的な利用に関する目標等について定めました、町内15の地域計画につきましては、地域の皆様方や関係機関とのご協力により、策定することができましたことか ら、今後は、地権者に働きかけを行うとともに、耕作者が経営しやすい環境を整え、農業委員会等の関係機関と協力し合いながら、目標達成に 向けた取組を行ってまいります。

 環境対策につきましては、家庭からの生活排水による水質汚濁を未然に防止するため、合併処理浄化槽の設置促進を図り、生活環境の保全と公衆衛生の向上に努めます。

 また、持続可能な循環型社会の実現のため、引き続きゴミの分別収集や減量化を推進するとともに、新たに環境負荷の小さいペットボトルの水平リサイクルにも取り組んでまいりたいと考えております。

 循環型社会の実現に向けた再生エネルギーの取組につきましては、田代支所に整備して おります木質バイオマス発電施設の安定稼働に努めるとともに、2050年までに、温室効果ガス排出量の実質ゼロの実現に向け、エネルギーの地産地消や、地域産業との連携、地域課題の解決や、森林による二酸化炭素の吸収機能の増加など、自然環境との調和を図りなが ら、持続可能な地域社会の構築を図ってまいります。

 水産業につきましては、磯焼けなどの海洋環境の悪化が問題になっておりますことから、「水産多面的機能発揮対策事業」による藻場造成に加え、新たに漁礁設置事業にも取り組み、漁場環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

 廃棄物の資源化に関しましては、循環経済の根幹をなすものであり、特に林地残材等の炭素固定につながる有効的な利用は、ゼロカーボンの実現に貢献できるものと考えておりますので、これらの有効活用につい ても検証してまいります。

 また、森林の持っ公益的機能の維持と、木材生産などの経済活動を両立させるためには、伐採、植樹、育林というサイクルを不断に行うことが重要ですが、高齢化等により管理が困難な森林所有者も多くいらっしやいますことから、それらの森林を企業と連携して、植樹・育林するなど新たな森林整備の手法も模索してまいります。

5 地域の元気

 次に、 5 地域の元気 についてですが、

 地域ごとの生活支援を行う下駄履きへルバー制度っきましては、現在活動している組織への継続的な支援を行うとともに、引き続き町民の方 からの意見もお聞きしながら、地域に応じた仕組みづくりを進めてまいります。

 観光につきましては、本町の観光交流ゾーンである神川・花瀬エリアを中心に地域資源の魅力を発信しながら、観光地へのリピート来訪の促進に努めるとともに、観光施設の環境整備や安全対策を行い多様化する利用者のニーズに対応したサービスの向上を図ります。
 併せて町内の民 間事業所等の協力をいただきながら、人と人をつなぐ拠点である「まちの駅」を活用した、おもてなしの地域づくりを目指してまいります。

 また、新たな観光戦略の取り組みとして、世界でも高い評価にある日本のアニメと観光地を関連付けた事業を展開し、フィルムツーリズムやインバウンドを見据えた取組で、関係人口、交流人口の創出に努めてま いります。

 産学官の連携事業につきましては、引き続き、包括連携協定を締結しております大学や企業と協同し、特産品の開発や新たなマーケットの掘 り起こしに向けた取組を行ってまいります。

 肝属郡医師会立病院の再整備につきましては、建築工事の請負契約を本年1月に締結しました。これから約2年間という長い工事が始まりますが、近隣住民や周辺農地にご迷惑をかけないよう、また、安全対策にも十分注意しながら、令和9年2月の竣工に向け、引き続き南大隅町、医師会と連携してまいります。

 道路整備などの公共事業につきましては、地域からの要望も多数 寄せられているところですが、第3次総合振興計画や財政健全化との整合を図るとともに、緊急性や効率性等を考慮しながら、要望に応えてまいりたいと考えております。

 令和3年3月に事業化が決定されました大隅縦貫道(吾平大根占田代道路)につきましては、南隅地域の産業や経済の活性化が期待されるとともに、医療や防災面からしても、非常に重要な地域高規格道路でありますことから、本町としましても、県と協力しながら用地交渉の加速化を図り、早期着手・早期完成に向けた取組を行ってまいります。

また、国道269号の城ヶ崎地区は、土砂災害による通行止めの交通規制が繰り返され、災害に強い防災道路の整備が喫緊の課題であ るため、安心で信頼性の高い道路整備の実現に向け、引き続き湾岸道路整備について、国や県に要望を行ってまいります。

さらに、異常気象による風水害等から生命・財産を守り、安全・安心な生活環境を維持するための排水・治水対策にも、引き続き取り組むとともに、国・県道の整備、河川の寄り洲除去、海岸地域の高潮対策事業等についても、関係機関と連携し、対策を講じてまいります。

 防災につきましては、災害対策基本法に基づき策定された「錦江 町地域防災計画」により、本町の防災・災害対策に関し、万全を期することとしております。

 令和7年度におきましても、避難所資材を活用し、災害を想定した避難所開設訓練や、小中学校の児童生徒及び自主防災組織等の防災教育も引き続き行うほか、災害時に必要な非常食のローリングストックも行い、常に必要な食数を確保してまいります。
また、防災行政無線等を活用し、適時的確な情報の発信に努めて まいります。

 消防につきましては、地下式消火栓から地上式消火栓への改修を年次的に行い、地域住民の初期消火や消火訓練に活用しやすいよう、整備を進めてまいりますとともに、令和7年度は、消防ポンプ自動車1台の更新や、皆倉地区に防火水槽を新設するなど、消防力の充実強化を図ってまいります。

 併せて、消防団員の確保と消防団活動の安定的な運営を図るため、消防自動車の運転に必要な免許費用の助成を行うなどの取り組みも行ってまいります。

 防犯につきましては、高齢化が進み、独居老人世帯が多くなる中、地域間での見守りに対する脆弱性の軽減を図るため、関係機関と連携を図りながら対応してまいります。

国民健康保険ほか

〈国民健康保険〉についてですが、
 国民康保険事業につきましては、昨年度策定した「第3期データへルス計画」に基づく医療費の削減や、各種健診の受診率を向上させ、疾病の早期発見・早期治療、また、生活習慣病の重症化予防対策等の充実 を図るなどし、今後も適正な財政運営に努めてまいります。

〈後期高齢者医療〉に いてですが、
後期高齢者医療事業につきましては、社会保障費や医療費の抑制を図るため、国保や後期高齢、介護部門とが連携し、医療と介護の一体的な事業を行い、健康寿命の延伸と、在宅で自立した生活が送れるよう、フレイルの予防対策を重点課題とした、専門職による保険事業の展開を図ってまいります。

〈介護保険〉についてですが、
介護保険事業につきましては、年々高齢化が進む中、「第9期介護保険事業計画」に基づき取組を推進し、介護予防、重度化防止、適切な介護サービスの安定的な事業の運営に努めてまいります。

 地域包括支援センターにつきましては、高齢者支援の一層の充実を図 るとともに、高齢者が住み慣れた地域で福祉・介護・医療を受けながら、いつまでも安心して生活ができるよう「地域包括ケアシステム」を推進してまいります。

〈水道事業〉についてですが、
 水道事業につきましては、町民の皆様に安全で安心な飲料水を供給す るため、施設等の維持管理を適切に行い、あらゆる事態にも迅速に対応できるよう取組とともに、令和6年度から始まりました公営企業会計により、正確な財政状況、経営成績を把握し、健全な財政運営に努めてまいります。

 併せて、上水道区域以外で、地域住民が管理されております小規模水道施設に対し、維持管理に必要な経費を補助するなど、全ての町民が安定的に飲料水の確保ができるよう支援してまいります。

〈農業集落排水事業〉についてですが、
農業集落排水事業につきましては、高齢化や過疎化により、加入戸数 は徐々に減少しているものの、快適な住環境を支えるため、公共用水域 の水質保全を図るとともに、適切な維持管理や施設の機能強化を図ってまいります。併せて、公営企業会計による安定的な財政運営にも努めてまいります。

 以上、今後の行財政運営に対する私の基本的な考え方を申し上げました。厳しい財政状況下ではありますが、町民の皆様の安心安全を守る施策に取り組みますとともに、新たなニーズにも迅速に対応できる体制づくりと、町民の皆様の生活の質の向上に努めてまいります。

 このため、絶えず事業の見直しを行い、課題に挑戦し続ける精神を忘れず、持続可能な財政運営に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

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