《宇宙 》
鹿児島ロケット5号機 霧島レイ号の打上げ成功
鹿児島ロケット5号機 霧島レイ号(小型ハイブリッドロケット)の打上げ実験が令和6年2月28日午後2時30分、肝付町内之浦辺塚海岸で行われ、打上は成功した。鹿児島ハイブリッドロケット研究会と肝付町とが共催で実施。
前日のリハーサル時は、発射場のある辺塚海岸は風が強く、ロケット回収地点の海上はシケており、打上は心配されていた。
打ち上げ当日の朝9時の発表ではギリギリ可能と判断された。その後、風は収まり、海上のシケも収まり、午後2時30分にロケットは打ち上げられた。
昨年の打上ではパラシュートの不具合で、ロケットの発射後直ぐにロケットは回転して地上に落ちた。
今年の打上は、ロケットは順調に上昇して辺塚湾に着水し、回収船が現場に向かったが、回収作業が進まず、船はなかなか帰って来なかった。
午後4時頃、発射場司令室前で記者会見が始まった。
片野田洋代表は「ロケット本体は残念ながら回収出来ませんでした。
パラシュートは機体から離れた状態で回収出来ました。データは(本体にある)メモリーが回収出来ていないが、無線でデータが得られた。
無線データを見るとパラシュートの2段階展開には成功しており、前回と比べるとたくさんのデータが回収できた。
しかし、パラシュートと機体と繋ぐひもが切れて、2回目のパラシュートと機体は回収できなかった。
向かい風のために機体を寝かせるような角度で打ち上げたので、高度はあまり上がらなかったと思います。本日の実験は70%のできでは」と話した。
鹿児島ハイブリッドロケット研究会(Team KROX)は、平成28年度から小型ロケットの開発に取り組んでいる。令和5年3月に打上げた4号機は、パラシュートの早期開傘により、期待していた軌道とは異なる飛行経路となった。
最重要課題としていた飛行データのリアルタイム二重バックアップには成功。パラシュート放出機構を改良した5号機の機体が完成し、肝付町との共催で打上げた。
ロケット主要諸元は4号機とほぼ同じで、機体全長2.6m、直径140mm、質量20kg。燃料・酸化剤は、アクリル樹脂等と液体酸素。
ハイブリッドロケットは、高分子化合物の固体燃料を液体又は気体の酸化剤で燃焼させるロケット。
燃料が爆発しない安全性が最大の長所。
アクリル樹脂等の燃料を液体酸素で燃焼させる方式を採用しており、有害物質を使っていないため、海を汚染しない。