2025年05月11日 19時46分

《雑草 》

半島全体で意識高めていくときなのか~様々な面でも

 南大隅町長選挙が終わりしばらく時間が経った。
 現職に2新人の3つ巴の戦いだったが、現職の石畑氏が2期目の当選を決めた。

 今、自治体は人口減少社会、特に地方では少子高齢の波にどう対応するのか、乗り越えることはできないので、それをいかに押しとどめ、地域の活性化にも繋いでいくのか、共通の課題となっている。

 県内で高齢化率が一番高い同町では、さらに大きな課題となっている中で、選挙で訴えることも各候補、そうした課題解決が中心で、4年前の核廃棄物処分場建設の是非が大きな争点でもあった選挙とは大きく異なったところがあった。

 ただ、2度目の挑戦となった田中けい氏が、前回、あれだけ強く訴えていた核廃棄物処分場建設を表に出さず選挙戦を戦い、「消滅可能性都市から、持続可能な町へ」「都会に若者がでていく町から、親・子・孫三世代が同居・近居できる町へ」「本土の最南端から、日本の最先端へ」など訴え、選挙ビラでは、自衛隊誘致やロケット発射所の整備などを掲げていた。

 今回の町長選の争点について、前回田中氏が強く訴えてきた内容が表に出ないまま、底辺でそれを支持する人たちも動いているのだろうかという思いをしながら取材を続けていた。

 選挙時にも、前回の選挙の時も書いたが、もし、核廃棄物処分場が南大隅町にできるとなった場合、これは鹿屋市はじめ、大隅半島、県全体の問題でもあり、このままそういった方向に進んでいくことがあれば、もっと町外の人たちも関心をもつべきだし、そういった議論もしていったほうがいい…と。

 町外民ではあるが、そうした観点から危惧していたのは、田中氏が前回の得票を超え、あるいは当落を拮抗というところまでいった場合、その延長線上で次の選挙はどうなるのだろうか…という思いだったが、結果は前回よりかなり票を落とした結果となった。

 町のかじ取り役を選ぶ選挙ではあるが、第一次産業を中心とした大隅半島の中で
一つの答え、方向性のようなものが示されたということなのだろうか。

 選挙が終わり、町民の方々とも雑談をしたりするが、選挙での争点としての核廃棄物処分場の話は、現実に表立ってなかったのだが、まるでそうした話題にはならない。

 ただ、田中氏の次の去就、さらには田中氏に続く候補者が続いて出馬し、核廃棄物処分場建設を訴えるということも考えられなくはない。

 この世界が混沌とし不確実性の時代となっているが、だからこそ、地域として地方として、農林水産業が基幹産業であるということも含め、地域のこの半島のアイデンティティを高めていく、そんな地域であって欲しいと思う。

 先日は、北海道の神恵内村と寿都町の核廃棄物処分場建設についての調査についての話になった。
 その後改めて、核廃棄物処分場についての全国の科学的特性マップをまじまじと見てみた。

 大隅半島でも、本当に佐多岬付近から内之浦、志布志湾にかけての海岸線が、候補地の可能性として適地とされるのか、全国の海岸線の多くのが、輸送面でも好ましい地域とされていることもふくめ、今一度、皆で考えてみることも必要なのか、そんな思いをしながら…。(米永20250511)

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