《選挙 》
現職 新人の2人が熱弁 曽於市長選立候補予定者公開討論
令和7年7月13日告示、20日投開票の曽於市長選立候補予定者公開討論が、6月29日末吉総合センターで開催され、これまで立候補を表明している元市農政課長の竹田正博氏(61)と、現職で4期目を目指す五位塚剛氏(70)が、それぞれ熱く討論を行った。

主催は、曽於市選挙公開討論会実行委員会(今西勇二会長)。
この日は、今西会長があいさつ。
竹田氏、五位塚氏が登壇し、まずは候補者の自己PRがあり、一問一答方式で持ち時間3分、用意された質問に、主の要旨で答えていた。


自己PR
竹田氏=35年間役所に勤務、20年以上農政畑で務め、決意のきっかけは、このままでは人口減少が止まらないということ。
若い人たちがこのまちで働き、定住、子育てをしていただく方々を増やしていくことが一番の基本。
産業振興、子育て支援などの事業、その財源、市の当初予算270億円、扶助費41億円は減っていく方向にはなく、合併特例債も令和7年度で終了。
ふるさと納税で30億円を確保というのが一番の公約。
市民サービスの中で公共交通の充実など取り組んでいきたい。

五位塚氏=私が最初に出馬したのは、フラワーパーク建設が大きな争点となり、高齢者祝金のことなどあり市長に押し上げていただいた。
事業としては医療費無償化、各小中学校建設ほか、学校給食センター4ヶ所を1ヶ所にまとめ、財部高校跡地は全国でも初めての獣医師を育てる施設に。
都城志布志道路が完成し、バイパスとしての10号線の整備、また今後曽於弥五郎から有明インターまでのバイパスや末吉小学校の新築、人口増として宅地分譲などを市民の暮らし守るために進めていきたい。

次の設問による討論があった。
▽人口減少と若年層の定住化対策について
五位塚=全国自治体も苦しいところで、国が大きな施策の一つとして前に進めてもらい、市としてはまず安心して子育てができやすいまちづくり。
これまで医療費無料化、給食費の無料化、ゼロ歳児からの保育料の無料化。
所得制限なしの振興住宅の提案をしてきて農村部を支えている。
曽於市以外から若い世代が移住してもらえるような施策、雇用の場を創出し、住んでよかったというまちづくり。
商店街の活性化も若い人の声を聞きながら全力を挙げて進めたい。
竹田=65歳以上が44%、65歳までの生産人口が45%だが、これを以前の52%まで引き上げたい。
20代女性の転出が多く、男性に比べ約2倍。雇用の場の創出、市内民間企業と行政が連携しインターン研修を充実。
地元企業団体の魅力を発信し企業を誘致し雇用拡大を。
高規格道などが整備され、バイパス構想も計画段階、そこを見据え定住化、宅地造成、高騰する建築費を考え空き家バンクの整備を迅速化していく。工業団地の造成と合わせ進めていきたい。
◇ ◇ ◇
▽財源確保のふるさと納税と納税増収のための具体的な対策について
竹田=今後は予算の縮小傾向、合併特例債終了で財源が約10億円ほど減少。
ふるさと納税を新たな財源として掲げ、モノを売る形からコトへ変わり、曽於市との関係の構築、リピーター、曽於市を好きになってもらうことが大事で、交流ができ、地域の雇用促進にもつながる。
ポータルサイトのポイント制、10.11月をどう展開していくかの課題もあり、まずは生鮮品、加工品を中心に魅力ある所品をつくり、消費者に理解してもらうこと。
五位塚=安定的な財源が必要で、1円でも多くの収入、自主財源を増やすこと。
歳出は競争入札や無駄な経費を省いて節減をする。
もともと企業の人間なので、前市長がしなかった市内の電柱について収入として上げ、毎年1千万円が新たな財源となった。
平成25年、ふるさと納税実施は鹿児島市内だけ、これを一般財源として26年から始め、財源を確保し40億円の基金から15の基金で100億円となっている。
今後はうなぎ加工場建設も含め、ふるさと納税で事業を進めていきたい。
◇ ◇ ◇

▽少子化時代の学校の在り方について
五位塚=農村部は複式学級で10人以下の学校も増えているが行政のほうからの合併は進めていない。
小学校、PTA、地区公民館コミュニティでよく話し合いをして決めていただき、それを応援したい。今までもそうしてきた。
農村部のこどもたち、競争やスポーツのことなどを考え、町部の小学校に通う場合の支援も行い、またゆとりある教育として町部から農村部へ通う生徒も増えている。そういう声を大事にしていきたい。
竹田=中心地小学校へ留学、定住も大事なこと、また地域の小学校を維持していくことも大事。
どの学校も歴史があり、コミュニティ協議会などと特色のある学校づくりが定住に繋がっていく。
地域には伝統芸能や文化、その継承を地域と連携しながら進めていきたい。
◇ ◇ ◇
▽若手の農業従事者に対する具体的な活性化策(補助金等)について
竹田=新規就農支援対策事業が55歳以下という年齢瀬減を取っ払い、定年退職され農業をやりたいという人たちにも広げたい。
若い世代の研修機能を充実させ、学んだことを地域に広げてもらいたい。その若者、後継者が地域の農作業を手伝いするようなシステム作りも必要。
五位塚=合併から215名の方が新規就農している。月5万、夫婦で7万円、新規は1万、夫婦で15万円、超物価高騰の中で見直しも検討したい。
畜産を中心とした農業のまちで、全体で530億円くらいの農業生産額であり、全国で10番目、畜産では都城、鹿屋市、曽於の順。近い将来鹿屋を抜くような勢い。
畜産を支える若い世代を支えていかないと農業がよくならず、商店街も同じで、
経費を掛けない農業、流通や農機具など支援もしていきたい。
ゆずに加えじゃばらみかんで加工も含め広めていきたい。
◇ ◇ ◇

写真=実行委員会の今西勇二会長があいさつ
このほか、農業インフラ整備について(側溝等の排水設備、農道の整備等)。
廃校等、市の未利用施設の具体的な活用について。曽於茶の活性化及び情報発信について(情報発信についての構想)。コストコなどの大企業の誘致について…などの設問や、候補者から候補者への質問に答える時間もあり、それぞれの公約、主張が述べられていた。
曽於市長選は、2025年7月13日告示、7月20日投開票。
前回の投票率は60.7%だった。