2026年03月05日 22時07分

《政治・行政 》

最優秀賞は黒木貴巨消防士「知識から行動へ」~命を守る防災の在り方~

大隅肝属地区消防組合消防職員意見発表会

 大隅肝属地区消防組合消防職員意見発表会が、令和8年2月27日、同組合で開催され、職務を通じての体験、業務に関する提言や取り組むべき課題などについて自由に発表、消防業務の諸問題に関する一層の知識の研さんや、意識の高揚を図ることを目的として、6人の消防職員が、意見発表した。
 最優秀賞は、県発表会、そして九州、全国発表会へ繋がる大会となる。

 前村春海消防長が「緊張感をひしひしと感じますが、これまで食を通して課題に取り組んできて、感じていること、その課題を今日はしっかり伝えてください」などあいさつ。

 南九州新聞社の米永新人代表取締役、鹿屋市教育委員会の小野武利学校教育課長が特別審査員で、次の6職員が意見発表した。

 荒武悠介消防士(東部消防署)「地域防災力の要消防団員を増やすために」
 浦村有輝消防副士長(東部消防署)「住民と共有する救急訓練の可能性」
 黒木貴巨消防士(中央消防署)「知識から行動へ」~命を守る防災の在り方~
 岡元あいか消防士(中央消防署)「働き続けられる職場へ」
 八木優樹消防士長(南部消防署)「その数分間は、誰の時間か」
 石元駿介消防士(南部消防署)「大切な命を守るために」

 審査の結果、黒木貴巨消防士が最優秀賞で、令和8年4月8日に日置市で開催の第49回鹿児島県消防職員意見発表会に、大隅肝属地区消防組合代表として出場する。
 優秀賞は岡元あいか消防士、ほか奨励賞。

 最優秀賞意見発表内容は次の通り。

 「知識から行動へ」~命を守る防災の在り方
 中央消防署 黒木 貴巨
 皆さんは、地震や洪水、自然災害などにおける防災について、本気で考えた事はありますか?「今日も災害は起こらないだろう」「自分の住んでいるところは大丈夫だろう」と、心のどこかで思ってはいないでしょうか。
 しかし、災害は私たちの油断や都合を待ってはくれません。昨日まで当たり前だった日常を、前触れもなく一瞬で引き裂きます。

 2年前の元日に起きた能登半島地震では甚大な被害をもたらしました。被災者からは「まさか自分の町でこんな大きな地震が起きるとは思わなかった」「元日という時期もあり、数日分しか食料がなかった」このような言葉が多く挙げられています。その言葉を聞いたとき、どうしたら防災意識の向上につながるか考えました。

 まず、私は家族や友人に対して防災についてどう思っているのか尋ねてみました。返ってきた言葉は「避難訓練ってどうせ訓練だよね」「防災の話って難しい」その瞬間私は言葉を失いました。もし今、災害が起きたら、私の大切な人たちは、何の準備もないまま、不安と混乱の中に放り出されるかもしれない。その光景を想像したとき、私は1つの答えにたどり着きました。

「日本各地で発生している災害を、ニュースなどの映像で目の当たりにしても人は変わらない。人が動くのは、自分が被災者になったときだけだ」ということを。そこで私は、発想を変え、防災を「勉強するもの」から「体験するもの」にしようと考えました。

 防災を体験型ゲームとして行う、その名も「Ⅼ-RAD」。地域を意味するLocal、経路のRoute、行動のAction、そして災
害のDisasterという4つの頭文字から名づけました。

 このゲームでは、実際の地図を使用し、災害カードや負荷カードにより自分たちがどう動くのかを具体的に考えるボードゲームとカードゲームを組み合わせたものです。
 参加者はプレイヤーを中心とし、アドリブ役、評価者が同席し、プレイヤーは話し合いながら行動を決定します。アドリブ役は各フェーズで感じた不安や疑問をそのまま言葉にし、評価者は各フェーズで自身の災害体験を踏まえて判断を評価します。ゲームは3つのフェーズで進行し、第1フェーズでは、地図に自宅や避難所、普段使っている道、危険だと思う場所を書き込み、日常生活と災害とのつながりを整理します。

 第2フェーズでは、災害カードによって地震や台風などが発生し、さらに負荷カードによって夜間や猛暑といった条件が加わります。想定が重なる中で、プレイヤーは現実的な判断を迫られます。

 第3フェーズでは避難所での生活を想定し食事や情報収集、防災バッグの中身を確認します。終了後には振り返りを行い、防災スコアを付け、地域の強みと課題を共有します。

 この体験型ゲームを通して「自分ならどうするか」を考える主体性が身に付き、有事の際に避難の判断や周囲への声掛けいわゆる自助、
共助につながっていきます。

 公助には、限界があります。公助を補うために一人ひとりの自助、地域で助け合う共助が必要不可欠です。知識の防災から自らが参加し
て体験し、行動できる防災へ。
 
 すべては、かけがえのない大切な人の命を守るために。

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