2024年09月26日 11時52分
《大隅点描 》
タカクマホトトギス咲く~高隈山系と肝属山系の固有種
鹿児島県大隅半島の高隈山系と肝属山系に生息する固有種のタカクマホトトギス(ユリ科)が9月15日開花を始めた。
本種は岩場の明るい湿気を好み、生育地として暗い場所では花は咲かない。
高隈山の御岳登山口周辺にも広く分布し車で容易に見学、撮影できる。
合わせてシコクママコナ(ハマウツボ科)、キンミズヒキ(バラ科)、キクバヒヨドリ(キク科)、ヤマヒヨドリ(キク科)、キハギ(マメ科)も周辺に群落状に分布しており、秋の風情を楽しめる。
また登山口から御岳山頂まで約90分、この間の登山道沿いには、本種以外に、ススコウジュ(シソ科)、ツクシコウモリ(キク科)、ホソバシュロソウ(シュロソウ科)、ツルニンジン(キキョウ科)、リンドウ(リンドウ科)、ツルリンドウ(リンドウ科)、ツクシアザミ(キク科)などが見られ、また木本では高隈山が南限のミズナラ(ブナ科)のドングリの実も見られる。
また10月に入るとタカクマヒキオコシ(シソ科)、オオマルバノテンニンソウ(シソ科)などが続いて咲き、展望の開けた山頂部から秋の景色が楽しめる。
大隅半島の自然・歴史研究
坂元二三夫