《おおすみ雑記 》
いつまでも住みたいと思える魅力あるまちの仕掛けは…
鹿屋空き家再生プロジェクトの空き家再生、商店街活性化視察研修①
鹿屋空き家再生プロジェクト(久木田弘会長)の空き家再生、商店街活性化視察研修が、令和6年10月28・29日実施され、同行した。
写真=いせえび荘前の公園で
工程は、根占から山川フェリーに乗り、南九州市頴娃町のNPO法人頴娃おこそ会の取り組み、宇宿商店街の持続可能なまちづくり、街の中心部にありながら昭和初期を思い出させる鹿児島市の名山堀飲食店での懇談。
翌日はかごしま産業支援センターでの研修、鹿児島市名山通り会の視察を行った。
写真=番所鼻の溶結凝灰岩の環状プール群
同プロジェクトは、中心市街地の真ん中に残る築103年の文化財的建造物である鹿屋市本町の岩元邸を再生することにより、中心市街地の活性化に繋げ、また同商店街や鹿屋市内の空き家に対する課題解決に結びつけることで地域に貢献していくことを目的に活動。
写真=番所鼻公園
今回、最初に訪れた頴娃町では、NPO法人頴娃おこそ会が、いつまでも住みたいと思える魅力ある頴娃町とすることを目指し活動。
頴娃商工会のまちおこし委員会が母体だが、商工会の枠を超え農商工が連携したまちおこし活動を推進。
過疎地域における空き家再生事業、不動産業者が機能していない過疎地域の空き家を、地域の交流拠点施設や移住者向けの住居、オフィス、ゲストハウスなどに再生し地域における人の交流と賑わい、仕事の創出につなげる活動を実施している。
最近は、釜蓋神社や番所鼻公園、大野岳を起点とした観光まちおこし活動にも力を入れており、頴娃おこそ会副理事長の加藤潤さんに、伊能忠敬が「天下の絶景」と絶賛したとされる番所鼻自然公園、タツノオトシゴハウスや公園に隣接する「いせえび荘」のABカフェとアコウの広場のデッキなどを視察。
番所鼻自然公園では、開聞岳が一望できる展望スペースや、鳴らす回数によって祈願の種類が変わる「幸せの鐘」を整備。また、公園周辺の環境整備を長年行ってきた「いせえび荘」のデッキが整備され、ABカフェでくつろぐスペース、地域住民や観光客も利用しやすいよう飲食、宴会スペース等もリフォームするなどまちおこし。
日本で唯一のタツノオトシゴ観光養殖場「タツノオトシゴハウス」には多くの観光客が訪れている。
公園内敷地は町有で、そこには空き家が数軒あったが、展望スペースなどが整備されていくうちに建物の解体につなげ、その空き地に絶景を見ながら本格コーヒーを楽しめる「イソヒヨコーヒー」がオープンとなり、公園内の森の中で木製ブランコやアスレチック、ツリーハウスなどの整備が進行中で、人の交流と賑わい、仕事の創出につなげる活動の説明を受けた。
写真=番所鼻公園内の森をこれから整備
写真=ツリーハウス整備予定の木
写真=タツノオトシゴハウスで
鹿屋空き家再生プロジェクトは、古民家再生だけでなく、商店街のにぎわいや交流人口の増加なども目指しており、商店街と公園との違いはあるが、それまでは、ほぼひっそりとしていた公園に新たな息吹が吹き込まれ、訪れた時は午前中からお昼にかけてで、平日だったこともあり観光客はちらほらだったが、いせえび荘には、地域のお年寄り団体がぞろぞろと向かう姿も見られた。
あとで訪れる空き家を再生したカフェやベーカリーなども地域の交流の場、コミュニケーションの場となっていて、まちづくりに流れがあり、それが一体となっている、そんな気がした。
次は、空き家を再生した宿泊施設やカフェ、ベーカリーの話。(米永20241108)