2024年06月17日 12時18分

《大隅点描 》

変種 クマコナラ~雑木林が姿を消す中で

 かつて里山にはコナラ(ブナ科)を中心とした多種多様性に富む雑木林が広がっていた。
 これら雑木林は人間も動植物も四季育む住環境として利用した半自然の森で、太古から引き継がれた日本の代表的森林の一つであった。

 しかし昭和20年の敗戦により、日本人の生活スタイルが欧米化により、この雑木林は生産性の高いスギ林に置き変わり、また放置されたところでは、入林不可能な密生した2次夏緑広葉樹林に覆われたマント群落(ヤブ林)化し、雑木林は姿を消した。

 それでもコナラは個体数は少なくなったが、ドングリの実を介して生き延び続けている。

 このコナラの葉を見て仰天した。葉の形が細長楕円形で常緑質な厚みと表面に光沢があり、大きな特徴が見られた。

 葉の長さ7・5センチから12・5センチ、葉幅2・5センチから5センチ。羽柄は1センチから1・5センチである(写真上部)。

 これに対して一般的なコナラは、葉は薄く先端部が急に広くなるのが特徴で、葉の長さは、7・5センチから12・5センチ、葉幅2・5センチから6センチ。羽柄は1センチから2センチである(写真下部)。

 一方で平凡社刊「日本の野生動物」には、変異種にテリハコナラが紹介されている。
 テリハの名からして照葉で表面に光沢ありと思われ、本産地の変異種のコナラもこれに当たると思われるが、対比できる写真の紹介はなく標本を見ていないため分類の判断はできないが、変異種に変わりないことから分布地である鹿児島県大隅半島は熊襲の伝承地であり、熊の名を取り、クマコナラと名付けることとし、本地の特産種として位置付けたい。

 大隅の自然・歴史研究
 坂元二三夫

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