《雑草 》
日本人にとってお米は食料安全保障の要とも言えます…
お米については、水のきれいな中山間地区の田んぼの隣が休耕田になっていたので、友人数人と共同で苗を買って植えてもらって、そのときどきで声をかけてもらい田んぼに出向き、収穫時には何俵かお渡ししてお米を作ったことがある。
それは作ったことにはならない…と言われるのだろうが、ちょっとだけお米作りには関わってきた。

アイガモ農法とかで頑張っていた農家とは、周辺からもう歳とってお米作れないからと頼まれて田んぼが増え続け、手が回らなくて困っていると言っていたので、僕に作らせて…とお願いしたら、どうせ結果的に俺がしないとならないことになるのは見えているので…と丁重に断られた。
もうどれくらい、5~6年前だろうか、もっと前から無農薬でお米を作りたい…など言って回って断られたりしていたので、10年くらい前からも休耕田や耕作放棄地は増え続けていたと思う。
いや、もっと前からなのか…
今回だけの一時的な作戦であってほしい
前回書いたように、1994年、平成のコメ騒動以前は1400万トンと言われていた米生産が、その後も減反政策は続く形で4割の水田がなくなり、2023年では、661万トン(前年産に比べ9万1000トン減少)で半減以下。
主食の米離れが続いているとも言われているが、ここ30年で半減というのはどうなのだろう。主食としての備蓄もなされているが、ここまで生産が下落していくと、何かイレギュラーなことが起こった場合は、今回のコメ騒動のようなことになってしまうのは必至なのだろう。
このような状態で、例えば温暖化の影響や自然災害などで、2年連続で不作が続いたとした場合、慌てて輸入米で賄おうとするのだろうか?
今回、小泉大臣が輸入米を…と発したのは、投機的にお米を買い占めた業者らが、備蓄米を放出し終わったあとはどうせお米が必要になるからそれまで出し渋りをしていれば、高くで売れると皮算用したのを、輸入米までも放出すると発言したことで、業者らが慌てているという今回だけの一時的なものなのだと考えたい。
あと3ヶ月もすれば古米なってしまい値が下がので、今のタイミングで慌てて放出せざるを得ないという作戦なのだろうと…。
しかし、今の米の実情を考えると、慌て増産調整に取り掛かろうとしてもお米農家がいない、田んぼ自体が減り続け雑木林になっていて、頑張って大規模農家を育てたとしても、生産量の半減した平地の限られた田んぼで果たして私たちの食は守られていくのだろうか。
消費者としての国民自身のアクションも必要か…
農水省のホームページでは、「お米の自給率はほぼ100%で、我が国の食料自給率に占める割合も大きいです。日本人にとってお米は食料安全保障の要とも言えます。」と書いてある。
ただ、今回のコメ騒動の真っただ中で国民的な議論になって現実を知ることになり、もしこのまま継続して輸入米に頼らざるを得ないとなると、それこそ日本の米農家、農業の根幹、食料自給率まで響き、食料安全保障の要までもおかしくなるのか。
農業全体を考えて価格補償とかの施策も必要なのかもしれない。
ただ、せめてこの主食としてのお米を、江戸時代に戻れとは言わないが、今のこの制度を消費者と生産者とでバランスのとれたシステムに変えていくような根本的な議論が必要だし、国の施策もだが、消費者としての国民自身も、今回の騒動で何を考え、どんなアクションを起こしていくのかにも掛かっていると思う。
それは何か身近なところにヒントがあるような気もしている。
政府は13日、「国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定し、23日から、米穀の転売が規制されるという。米価格を考えると消費者にはありがたいのか…。つづく…。(米永20250614)