《戦争と平和 》
特攻を選ばず独自の戦いを貫いた部隊の史実を語り継ぐ
桂竹丸落語講演会「特攻セズ」、中学校で公演
桂竹丸落語講演会「特攻セズ」が、令和7年5月19日、高隈中学校で行われ、太平洋戦争末期の大隅町岩川であった特攻についての物語を、熱心に聴いていた。

写真=特攻セズ公演の桂竹丸師匠
鹿屋市出身の落語家桂竹丸(68)が、戦後80年特別企画として、特攻をテーマにした創作落語を鹿屋市や鹿児島市ほか全国で公演するが、鹿屋市内の中学生にも聞く機会を持ったもの。戦争を扱う創作落語は、知覧の「特攻の母」鳥浜トメさんを扱った「ホタルの母」に続き2作目。

写真=小話などして場を和ませる
太平洋戦争末期、曽於市大隅町岩川に拠点を置いた「芙蓉部隊」の指揮官、美濃部正少佐が題材。80年前に多くの特攻隊員が飛び立った鹿児島で、特攻を選ばず独自の戦いを貫いた部隊の史実を語り継ごうと新たな落語を創作。
この日は、最初、生徒たちと同じ目線で、落語や寄席について笑いをとりながら会場と一体となって説明。小話で場を和ませ、生徒の平留玲君を高座に上げ体験させながら、「特攻セズ」の本番。
特攻の方針が示された旧日本軍の作戦会議で美濃部少佐はただ一人、特攻作戦に反対。
「特攻隊は無駄死にじゃありませんか。芙蓉部隊は夜間に攻撃するという独自の戦法ですが、死ぬ覚悟はできております。死ぬにはそのための意義と目的がなければなりません」など語り、当時の特攻作戦、戦うことの意味を問い、戦争や平和について考える時間となった。

生徒たちは真剣な表情で、落語という手法で平和の尊さを語る先輩の落語を聞いていた。
生徒を代表して金田紘人君がお礼の言葉を述べ、西村聡佑君は、「戦争の悲惨さを感じ、戦争をしたらいけないと感じました。初めて落語を聴き興味を持ちました」など語っていた。
また翌日には、吾平中と串良中学校で同公演が行われた。
なお、鹿児島市の川商ホールで、6月28日に「特攻セズ」を上演する予定




写真=生徒代表の金田君がお礼のことば
桂竹丸落語講演会「特攻セズ」 鹿屋公演