2025年09月16日 10時49分

《農林水産 》

 令和7年産鹿児島きもつきベジフル部会、なんぐう地区果樹部会の辺塚だいだいはさみ入れ式が、9月12日、肝付町内之浦地区の大迫辰巳園主の果樹園で行われ、7年産計画は、青果用7500kg、加工用50tを目標に収穫がスタートした。

写真=鹿児島きもつきベジフル内之浦部会の中野正輝会長があいさつ

写真=鹿児島きもつき農業協同組合の中野正治代表理事組合長があいさつ

写真=肝付町農業振興課の竹之下記與が来賓祝辞

 同地区の辺塚だいだいは、農水省の「地理的表示(GI)保護制度」~その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因の中で育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護する制度で、平成29年12月に登録された貴重な品種。

 この日は、鹿児島きもつきベジフル内之浦部会の中野正輝会長、鹿児島きもつき農業協同組合の中野正治代表理事組合長がそれぞれあいさつ。

 肝付町と南大隅町の両町代表として、肝付町農業振興課の竹之下記與が来賓祝辞。

 JA鹿児島きもつき農業協同組合 高山・内之浦地区担当営農指導員の末村浩幸係長が、次の内容で、辺塚だいだいのあゆみと生産状況を説明した。

 辺塚だいだいは、肝付町と南大隅町に古くから自生している地域固有の香酸柑橘。
 その呼び名からダイダイと混同されがちであるが、果実や樹の特性が全く異なる別の品種で、その果実は、ダイダイに比べて小ぶりで皮が薄く滑らか。

 また、果汁歩合は50%前後と豊富で、早い時期に収穫したものは酸味も強い。

 さらに、果皮には、ライムにも似た独特な香りがある。

 平成2年に鹿児島県果樹試験場が、鹿児島県に適した香酸柑橘の優良品種を選抜するために行った市場関係者への聞き取り及び一般家庭へアンケート調査では、その独特な香りの評価は分かれたものの、果汁の多さや、皮が薄く絞りやすいなどの特性が評価されて、比較した品種の中では、「辺塚だいだい」の評価が最も高かった。

 収穫が始まる8~10月頃は、果皮・果肉とも鮮やかなグリーンで、酸味、果汁が多いことから、地元では、酢の代用品として使用される天然の調味料でもある。

 11~12月になり果皮がグリーンから黄色になる頃には酸味も抜け、やわらかな酸味とさわやかな風味となり、その時期の果汁は、この地域でしか手に入らない貴重な地産地消の加工食品の原料として地元の加工業者から重宝されてきた。

 また、県内飲食店、県内醸造メーカーからは、苦みを帯びるダイダイに比べると、「辺塚だいだい」はさわやかな酸味とおだやかでふんわりとただよう香りが特徴で、ポン酢やドレッシングの原料として使用すると最適であるとの評価を受けている。

 令和6年産実績並びに7年産計画
 R6年産実績 青果用7,360kg、加工用45.6t
 R7年産計画 加工用7500kg、加工用50.0t
 
 R7年産栽培戸数は、町肝付町60戸、南大隅町6戸、計66戸。
 青果市場販売先
 関東(荏原青果・東京シティ・横浜丸中)
 県内(くみあい食品・鹿児島中央青果)
 加工販売先 :寿福産業・久保醸造・株果香(キリン)・ミツカン・フンドーキン等

 生産・販売対策について
 ・生産履歴の記帳・回収の徹底と出荷前の残留農薬自主検査の実施。
 ・青果用果実の販売数量を増やす( 7.5t計画であるが、2 0t程は青果販売を目指す)
 ・青果・搾汁液の新たな販売ルートの確立と持続。

 テープカットとはさみ入れ式が行われ、JA鹿児島きもつき農業協同組合本所特販課の南恭平係長によるガンバロウ三唱があり、JA鹿児島きもつきの和牛や豚肉、鶏肉、いろいろな野菜に辺塚だいだいの輪切りが添えられ、さっぱりとした触感で味わえる料理、辺塚だいだいソーダやジュースがふるまわれ、参加者が味わっていた。

 また、11月11日(火)から「キリン本搾り。チューハイ辺塚たいたいと柑橘プレント〈季節厳選〉」が、新しく全国で限定販売される予定で、そのPRもあった。

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