2025年04月10日 18時47分
《大隅点描 》
ヒゴスミレ咲く~「スミレ咲く丘」を季節を通して楽しむ
人里の土手、道端、山野に、ごく普通なスミレ、ノジスミレ、タチツボスミレ等が咲き始めた。
山地系を含めると国内に100種を超えるスミレ属の多さはお圧倒的で花色は紫、白、黄、混色と多彩でスミレ色ともいう。
また、葉の形状も豊かである。
花は横向きに咲き、花の形、目立った色をして、虫の目を引くようにけなげな咲き方をしている。
そうしたスミレの形化が変化をもたらし多種に達したと考えられる。

今回紹介するのは、その形化、変化をもたらしたヒゴスミレである。
葉は5裂し各破片は、さらに細かく切れ込み、その葉形はスミレの中では目立った存在である。
花は白色が多く、まれに淡紅色、花弁は先が丸く、上弁は後ろに反り返る性質を持っている。
葉や花の形状、さらにはその地下の球根(バルブ)は目立つほど大きく、明らかな進化を示しており、春咲きだけでなく数は少ないが夏、秋にも咲かす。

また他のスミレは、冬越しのため基はは姿を消すが、ヒゴスミレは緑の基葉を保ち、まれに12月、1月に花を咲かし、スミレ属の中では際立った存在である。
ヒゴスミレは種子の放出が豊かで3年適度で周辺を群落構成を示し「スミレ咲く丘」の季節を通して楽しむことができる。
大隅の自然・歴史研究
坂元二三夫