《伝統 》
400年以上続く郷土伝統行事柊原地区「おろごめ」
400年以上続く郷土伝統行事、垂水市柊原地区「おろごめ」が、令和6年6月2日、柊原砂浜などで開催され、子供たちの激しい戦いを繰り広げられた。
おろごめとは、武士が野生の子馬を「おろ」と呼ばれる囲いの中に追い込み捕らえる姿にならって、子どもたちに元気に育ってほしいと受け継がれたもので、藩政時代から400年以上続く続く端午の節句の伝統行事。
この日、まだ暗い午前3時すぎから、5・6年生が松明を持ち、3・4年生がノボリ旗を持って裏山を30分ほど登り上野台地の指定場所と、海岸沿いの切目王子神社で安全祈願をした後、海岸へ移動し柊原公民館で男の子たちはサラシを付け準備。
子供たちが2週間ほどかけて砂浜を掘って作られた砂の囲い「おろ」の中で、柊原小学校の小学6年生の親頭役が、子頭役のほかの子供たちを「おろ」から引きずり出す激しい戦いが繰り広げられた。
参加したのは、柊原育成会児童31名
6年生(親頭)~男子1名、女子4名、木原僚甫・柳田結愛・黒川美結・山田花笑・和田あかり
5年生(子頭)~男子5名
4年生(子頭)~男子1名、女子3名
3年生(子頭)~男子4名、女子3名
2年生(子頭)~女子4名
1年生(子頭)~男子4名、女子2名
男子児童・女子児童に分かれて行われ、また親頭役と子頭役も替え、おろの周りには地域住民や保護者らが声援を上げ見守っていた。
400年続く伝統行事で、多いときは柊原地区の海岸で18か所で行われるほど、この地域には児童がいたという。それがだんだん減り3か所になり、今1か所で郷土伝統行事として守られ、続けられている。
参加した木原僚甫君(6年)は、「けがをしていて昨年よりはうまくいかななかったけど、できることはちゃんとできた。子頭を外に出すところが面白かった」。
柳田結愛さん(6年)は「1年生からやってて初めて親頭をして、大変だったけど楽しかった」。岩元瑛寛君(5年)は、「去年よりは頑張れたし粘れた」など話していた。
柊原子ども育成会の黒川皓司会長は、「3m×3m、深さ1m50センチほどのおろの穴を子供たちがバケツリレーをするなど2週間ほどかけ掘って準備し、早朝から松明を持って安全祈願し、親頭役と子頭役も頑張ってくれました」。またほかの保護者も「昔は、6月4日にすることが決まっていて、おろごめが終わってから学校に行って授業を受けてました。疲れて居眠りもしてました」など語っていた。