2024年11月06日 20時21分

《雑草 》

H27年度不登校児童生徒は17万人、R5年度34万人と倍増

 日本では、自民党が一強から少数与党になり、米国大統領では、トランプ大統領が返り咲きするのが確実と伝えられた。

 政治が大きく揺れ、世の中はますます混沌とした時代に入っていくのだろうか。
 国内ではこれまで、自民単独で決定してきたことが、事案ごとに与党内、与野党で協議されていくことで国会運営がより難しくなるのか。

 トランプ大統領返り咲きとなると、安保含め日米関係を含む国際情勢や経済に大きな影響を与える可能性があると言われている。
 ビジネスの世界で培った交渉を外交にも持ち込み、「アメリカ・ファースト」の理念に基づき、アメリカの利益を最優先、中国に対する強硬姿勢を示すなど、今後何かと大きな変化に対応していかないとならないのだろう。

 政権運営や海外の動向は、地方に住む私たちが今この現時点で、とやかく言えることでもなく、もっと身近な話題に…。

写真=文科省のR3年データ

 今、いろいろ取材をしていく中で、昔は特殊学級と言っていたクラスがあったが、今は特別支援教育へ変わり、学校では不登校や引きこもり等の問題がここ30年来言われており、これらに対して、学校教育の枠にとらわれない学びの場、 居場所作りを目指してフリースクールが増えてきている。

 文科省によると、全国の学校での平成27年度中の不登校児童生徒数は、小学校2万7583人、中学校9万8408人、高等学校4万9563人の合計17万5554人とされていたが、令和5年度には過去最多の34万6482人となり、ここ10年で倍増。
 前年度から4万7434人(15・9%)増加。
 増加は11年連続となっており、前年度は29万9048人と、初めて30万人を超えた。

誰一人取り残されないCOCOLOプラン

 昨年3月、永岡桂子文部科学大臣は、不登校の子供やその家族は、「行きたくても行けない」現状に苦しみ、繊細な気持ちになっている場合があるので、学校・家庭・社会が寄り添い、共感したり、受け入れたりすることが、子供の自己肯定感を高めるためにも大切です。

 不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指します。そして、子供たちに、「大丈夫」と思っていただけるよう、徹底的に寄り添っていきます。

このため、教育行政の責任者として、私は、
1 不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える
2 心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する
3 学校の風土の「見える化」を通して、学校を「みんなが安心して学べる」場所にすることにより、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していきます。
この考えの下、COCOLOプランをとりまとめました…としている。

 そして、このプランを実現するためには、行政だけでなく、学校、地域社会、各ご家、NPO、フリースクール関係者等が、相互に理解や連携をしながら、子供たちのためにそれぞれの持ち場で取組を進めることが必要。

 また、一人一人のニーズに応じた多様な学びの場の確保。

 心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援。1人1台端末で小さな声が可視化され、心の不安や生活リズムの乱れに教師が確実に気付くことができる小さなSOSに「チーム学校」で素早く支援することにより、早期に最適な支援につなげられている。

 教育と福祉等が連携し、子供や保護者が必要な時に支援が行われる…などとしているが、果たしてこうした上から目線的なことで、小さな声が可視化されていくのだろうか。チーム学校がうまく機能していないからの問題ではないのか、教育と福祉等が連携していくことが可能なのだろうか。

一体、どれくらいの時間、年数が掛かるのだろう

 さらに、不登校特例校の設置を促進、校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)の設置を促進、教育支援センターの機能を強化、高等学校等においても柔軟で質の高い学びを保障、多様な学びの場、居場所を確保…などで教育環境を整える…としてるが、一体、どれくらいの時間、年数が掛かるのだろうか。

 実効性を高める取組として、「不登校の児童生徒が学びや必要な支援につながっているかを把握」「エビデンスに基づき、ケースに応じた効果的な支援方法を確立」「学校における働き方改革を推進」「文部科学大臣を本部長とする誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部を設置」が挙げられているが、どうなのだろう。

 地方に住む私たちについても、喫緊の課題でもあり、少しこの問題について触れていきたい。(米永20241106)

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