《農林水産 》
海を通じて鹿屋、地域を元気にしていきたい!
(有)敬愛社の岡留社長と水産業支援員の原口隊員と
鹿屋市串良町有里の(有)敬愛社(岡留利秋社長)で令和7年4月21日、鹿屋市周辺の海でブルーカーボン事業による豊かな海とまちを…などの話し合いがあった。

写真=岡留社長㊧が原口隊員へ説明
同社は、不動産や太陽光発電、タクシー事業などを行っているが、リーフボール藻礁を利用したブルーカーボン事業も、㈱朝日テックの県代理店として展開している。
鹿屋市では、この4月に地域おこし協力隊の水産業支援員として着任した原口展子隊員が、博士号(学術)、潜水士の資格、船舶の免許も持ち、海で繋がる何か接点を見いだせたらと、地域活力推進課の加連川陽一課長補佐と田畑浩介主査とともに同社を訪れたもの。

リーフボール藻礁は、磯焼けや海の砂漠化などから藻場再生を行い、水産資源を復活あるいは増大させるもので、敬愛社では、これまで指宿漁協、谷山漁協、北さつま漁協と藻場造成の実証実験を開始し、また、鹿屋市ではゼロカーボンシティかのや経営宣言認定事業所となっている。
岡留社長が、いま海がどんな現状なのか、また、そのリーフボール藻礁の概要、これまでの3漁協との展開や経緯などを説明。
また、原口隊員が、これまでの研究や、手掛けてきた仕事の内容なども説明。
カンパチなど養殖が盛んな鹿屋市漁業の中で、漁師とのコミュニケーションを図り、抱えている問題等を知り、繋がっていくことで課題解決のお手伝いをしていきたい…など話した。
藻場等については、錦江湾の海がどういう状態なのかまだ着任したばかりで、まだ未知の領域。

岡留社長は、海の恵みにあふれた島国日本で港町も活気に満ちていたが、今は魚が減り、港周辺も高齢化と過疎化が進み、地域の元気が失われている。
海も磯焼けが広がり、砂漠のようになっている現状から、豊かな海を、もう一度復活させたい…などと話している。
また、次の構想も描こうとしている。
「鹿屋市発! 海を育てる海洋牧場プロジェクト」で、まちも元気にしたい。
リーフボールにより藻が生い茂ることで、魚介類の棲み家となり、豊かな生態系を蘇らせ、波をやわらげる消波機能もあり沿岸環境を守りたい。
魚が育ち、藻が広がり、CO₂を吸収するブルーカーボンの海が戻って、海の牧場を育てる。
海が変われば、まちも変わる。釣り体験や漁業体験、カフェやシーフードレストラン、空き家を民泊にしたり、地元の魚介を使ったお土産やスイーツなど、自然再生から始まる地域創生のストーリーを…なども訴えている。

さらに「かのやばら園から錦江湾、高須や荒平方面の海とに広げていけば、観光面でも活性化に繋がっていくと思います。
原口さんは、水産業が専門で潜水士の資格、船舶の免許も持っておられ、ぜひこの海洋牧場プロジェクトの絵を描く一員になってほしい」などエールを送っていた。