《戦争と平和 》
次世代に 80年前の真っ暗か 希望溢れる世の中を与えるか
労働者協同組合かごしま設立記念平和学習会「元イスラエル兵士と考える戦争を止める方法」が、令和7年8月14日、鹿屋市本町の岩元邸で開催された。
木製家具作家で元イスラエル兵士のダニー・ネフセタイさん(67)の講演会。

ダニーネフセタイ(Dany Nehushtao)さんのプロフィールは次の通り。
1957年 イスラエル生まれ
1975年 高校卒業後、徴兵制によるイスラエル軍人隊。空軍にて3年間兵役を務める。レーダー部隊。
1979年 退役後アジアの旅に出る。 10月来日、日本各地をヒッチハイクなどで旅をし、交流を深める。日本語学校にて更に深く言葉を勉強しその後神奈川の家具会社に勤める。
1988年 東京より埼玉県皆野町金沢へ引っ越す。「木工房ナガリ家」を開設。
1999年 皆野町金沢・出牛に自宅のログハウスを夫婦で自力建設。
現在 夫婦で注文家具、遊具、木工小物、社会性オブジェの創作活動中。
ギャラリーにて個展、グループ展など多数開催。
ダニーさん(67)は、母国のガザ侵攻に心を痛め、書籍やSNSなどで非戦を訴えてきたが、「母国の人に『あなたの主張はイスラエルの恥だ』と言われる。論理が通じなくなっている」など時に強く難詰された。
今年に入り、日本国内で20回超、ガザ情勢への見解を伝えてきて、非戦への賛意もあるが、自身のSNSに「ハマスの肩を持つのか」「理想論だ」などと国内外から批判が届くようになる中で、理想論と言われても、声を上げ続けている。
他国を見渡しても、イスラエルへの批判自体がご法度とされ、意見の表明すら難しい事態が生じている。どう考えるべきか…など問う内容。
日本に来ていろんな気づきがあった~正しいのは日本じゃないか
この日は、昭和54年1979年に初めて日本に来て、2週間の観光のつもりが、なぜか45年になってしまって、少しずつ自分の国を外から見つめ、その気づきによって戦争と人権を、みんなと一緒にと考えたいです…と話がスタート。
イスラエルでは、国を守るのはやっぱり軍隊の力。ところが日本では憲法9条がありびっくり、本当に大丈夫ですかと、すごい心配してたけど、だんだん日本での滞在が長くなると、もしかしたら正しいのは日本じゃないかと思うようになったこと。
四国より少し大きい国、イスラエルに700万人のパレスナ人と700万人のユダヤ人が住んでいる。
ガザ地区に220万人ぐらいのパレスナ人が住み、普段からイスラエル軍の抑圧の中で大変な毎日。今回の20ヶ月続いている戦争、ただ、この土地には2000年前からの歴史があること。
ホーロコストユダヤ人大虐殺では5年間で600万人のユダヤ人が殺されたこと。
パレスチナ人に出ていけという国連の決定に、ユダヤ国家を作るしかないと第1次中東戦争が勃発。
第3次中東戦争では私は小学校4年、父はイスラエル兵の予備兵として戦ってイスラエルはガザ地区も占領、同時にユダヤ人の移住を始め、60万人のユダヤ人が200個ぐらいの占地の中のに住んでいる。
イスラエルは徴兵制があり、18歳で入退し、戦闘機のパイロットになろうと思ったが、実技試験を突破できなくてパイロットになれなかった。なっていたら間違いなくガザに爆弾を落としていた。
パイロットにならなかったから人を殺してません。日本に来ていろんな気づきがあった。
戦闘機乗りはかっこいいと思い、また戦闘機を見るとかっこいいっていう人もいると思うが、街を歩いて誰かナイフを振りかざして殺すぞって言うのが、かっこいいという人は絶対にいない。戦闘機の翼の下にあるミサイル見るとかっこいいという人もいるが、この爆弾1つで100倍も200倍の人を殺せる。
私たちは武器を見るとその武器はかっこいいか、怖いか、その武器のこっち側にいるか向こう側にいるかということ。

日本とアメリカが80年前戦い、たくさんの人が犠牲になったが、今世界で1番仲良し。私から見るとちょっと仲良しすぎぐらい。
ユダヤ人はドイツのナチに600万人殺された。でもヨーロッパの中でイスラエルと1番仲良くしてる。中国と日本もそうで、普通に日本人は中国にも行ける。
ただ日本は、F35イージス艦の配備、南西諸島でも九州時でもどんどん自衛隊基地を作っている。日本は80年間戦争してません、これからの80年間もうそうしなくちゃ いけない。
私たちの親、おじいちゃんとおばあちゃんから平和の国を受けた。この平和の国をめちゃくちゃにして自分たちの次世代に渡して、頑張ってくださいと言ったらこれ大人の責任崩壊。
大人の責任として私たちは平和の国を受けたと同じように次世代に平和な国を渡す義務があります。
80年前の日本と今のイスラエルの悲しい悲しい共通点が見えてきます。
80年前の大日本帝国はアジアで大量に人を殺しました。でも自分たちは世界一正しいことやってると思ってた。
今のイスラエルは、全く同じことやってます。戦争の1番ややこしいことは、中にいる人は自分が正しいと思い込んでいる。私たち外から見るとこれは狂ってると分かる。
イスラエルの1万8000人の子供を殺す、外から見るとありえない、狂ってる。
イスラエル人に説得をさせたければ、ゆっくりゆっくりステップバイステップで言わないと絶対説得できません。
敵というものはそもそも存在しません
戦争は、誰の犠牲者か。
まずは戦争時代に生まれた犠牲、私たちは選ぶことはできません
政治家が正しい判断すると初めから戦争が起きないか、または起きた戦争がちゃんと止められます。
政治家が間違った判断すると、政治家の子供じゃなくて、私たちの子供は戦争に生かされる。
プロパガンダであっちは敵ですって言われると殺しちゃう。でも敵というものはそもそも存在しません。
これ全部作り話であり、映画でも戦争で軍人は敵を殺してると思い込んでるがこれも嘘、軍人は敵を殺してません、殺してるのは人間、敵じゃなく自分と全く同じ人間、 愛する人や夢と希望を持っていた人間を殺しています。
ここまで言うと、そうだからこそならないように抑止が必要じゃないかという人もいる。もちろん戦争はダメだけど仕方がないっていう人もいる。
結構政治家の中にいるので そういう時は、どっかの高校を想像してもらう。
朝1番、1人の高校生の鞄からナイフが出てくる。なんで学校にナイフ持ってくるって聞くと、大丈夫先生、心配しないでください、このナイフを使うつもりありませんよ、これは抑視力として持ってきただけです。そしたら先生、ああ抑止力ならどうぞ 、学校に入ってくださいって言うはずはないでしょ。
鹿児島に住んでいて隣の熊本から襲われるのを恐れていますか?抑止力のために鹿児島軍をつくりますか?
100%譲って抑止力を認め、やっぱりいい武器、世の中で1番強い武器、核兵器を持てれば、誰も私たちを襲わないとも言ってる日本の政治家もいる。本当ですか。
ロシアとウクライナは、もう今3年間戦ってます、確かに始まりはロシアが侵略しました。でも今はどちらが正しいかということは別にして対等に戦ってます。
ウクライナもどんどんロシアに爆弾を落としてます。
人権とは何かというと、幸せに生きる権利
昨年10月7日はハマスはイスラエルを襲い1200人殺しました。
ところがロシアもイスラエルも過去兵器を持っててます。ロシアが核兵器持ってるのに、これを1つも恐れずにウクライナが襲ってます。
イスラエルは核兵器を持ってるのにハマスが1つも恐れずにイスラエル襲いました。
つまり核兵器を持ったとしても、何に1つも抑力になりません。
戦争反対を訴え、憲法9条の会での活動を通して、本当に私たちのチッポケな力で戦争止められるかと疑問が生まれてくるだけど、絶対戦争止められるっていう気持ちで戦争に望まないと戦争止められない。
その自信がないのは、教育の問題があると見てる。戦争は人間の本能だという人もいるが、これも騙されてる。これは嘘。
ロシアの人口、ウクライナの人口、今戦ってるのは地球の人口の2%。第1次第2世界大戦確かにめちゃくちゃだった、でもその他どの時代でもどの時代でも戦争と直接関わってない人口は圧倒的。私たち98%なのに。この戦の2%によって私たち地球人類みんな被害者になってます。
日本にこんな素晴らしい憲法があります。広島そして長崎この2つの記憶っては何かというと、人権以上の大切なものはありません。
人権を大切にすれば戦争はできません。人権は私たちの特権だけじゃなく北朝鮮の人にも、ガザの人にも人権があります。それを守れば戦争ありえない。
人権とは何かというと、幸せに生きる権利。
イスラエル軍も自衛隊というネーミングでめちゃくちゃ隣の国を破壊。国を守ると言って、このガザで15ヶ月で10万㌧の弾を落としました。みんなアメリカの国益のため作られたです。

日本は今、次世代戦闘機を作り始めてる。国の利益のためと言って、隣の国の子供を殺していいか、これはとんでもないことです。
やっぱり国を守らなくちゃいけないから軍隊が必要て言ってる人もいるけど、国を守るためあなたは国家予算の何パーセントを使いますか、10%、25%、50%…、さらに国を守るため自衛官の命、何人まで犠牲にできますか、1万人、5万人、100万人。
自衛隊の仕事、命を捧げて国を守ると言うてる人に対して聞きたい。あなたの息子さんもその中いたら、同じこと言うか。いやうちの息子がいたらちょっと話が違うと言う、それは人権とはなんて全く分かってない。
中国が万が一、私たちを襲ったら、何も戦わずに日本の国土は与えるかって聞く 人がいる。私の答えは80年前、アメリカについて同じ質問を聞いた人がいた。まさかアメリカに渡すはずはない、戦おうぜと、戦ったその結果は何かと言うと沖縄の25%がを含め310万人が亡くなりました。
国の責任とは何かと言うと、軍事力によって犠牲者を減らすことじゃない。
外交によって犠牲者を出さないこと、これは国の責任です。
親、教員、宗教指導者、公務員、政治家、大人全員の責任っては何かというと、近隣国は敵ではないと教えること。
日本でも、争いの図で敵、敵って書いてある
これを見てる10歳の子供は、日本に敵がいます。しかもこの地図見ると大体どこの国かちゃんと分かる。あの国は敵です。
つまり私たちはこういうことを伝えなくちゃいけない。肌の色、宗教、性別、民族、国籍を問わずに、みんな同じ人間です。
みんな同じ人間と子供が分かったら隣の国は敵と思わない、それは互いに手を取り合うこと。

私たち人間は想像以上に簡単に被害者から加害者なれる
私が話しをして1番出る質問は、ナチズによって人権を奪われたユダヤ人はなぜ今、パレスティナ人の人を奪ってるのか、やっぱり私たち人間は想像以上に簡単に被害者から加害者なれます。
武器が手に入って歪んだ教育を受ければ、誰でも加害者なれます。
私はイスラエルで生まれ育ちリベラルな家庭で育ったのに、一つの疑問なく18歳で入隊。イスラエルで受けた教育は 国のために死ぬのは素晴らしいということ、これを信じたからで、でも日本に来てなんかおかしいと思って、大きな疑問マークをつけた。
世の中真っ暗に見え、世の中に戦争が終わらない。そして戦争でもう笑いが止まらない人たち、原発事故もあるし自然災害がどんどん増え、真っ暗に見えます。
80年前の日本こういう話できませんでした。今そうじゃない、こういう話ができます。
日本の今は真っ暗じゃない、グレイゾンでグレーゾン、こっちにもあっちにも転がる。
私たちは次世代に80年前のような真っ暗の世の中を与えるか、それとも希望に溢れるような世の中を与えるか私たち次第。
希望に溢れる世の中を、実際に与えるため、私たち大人の責任としてこれからの時代で、1番使わなくちゃいけないのは何かというと(両手でハートのマーク:heart hands)愛情や感謝、心からの気持ちです。
