2025年04月17日 18時27分

《大隅点描 》

オンツツジ咲く~稲尾岳が南限で幹が巨大化

 オンツツジ(ツツジ科)、聞きなれないツツジ名である。
 本種は、紀伊半島、四国、九州の低山の林縁に生え、ときに岩地を好んで生える。

 鹿児島県では、獅子島、長島、甑島、紫尾山、冠岳。大隅半島では肝属山地の野首岳、木場岳、稲尾岳、尾ノ口岳、荒西山、万黒山、初山、甫与志岳、黒尊岳に分布し、範囲は広いが、個体は少なく、稲尾岳が南限となっている。

 これらの産地は分布地に登山道もなかったり、花が赤いためにヤマツツジと勘違いされたりして、オンツツジに出会う機会を失ったりしている。

 不思議なことに標高のある霧島山や高隈山には分布しない。

 オンツツジは高さ3mから6mの落葉低木、または小高木、葉は枝先に3個輪生し葉身は菱形状円形で三つ葉に見える。

 花冠は朱色か赤に見え、上側内面に濃色の斑点があり、花びらの先端は急突し径4㌢から5㌢と大きく5中裂する。

 肝属山地茎は幹の直径が20㌢、あで巨大化する性質がある。花の紅紫色のものをムラサキオンツツジといい、肝属山地にも分布するが形態は同じである。

 大隅の歴史・歴史研究
 坂元二三夫

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