2025年04月27日 15時22分

《大隅点描 》

刀剣山の植物群~高隈山系の独立峰に珍しい植物

 標高こそ低山(661m)であるが刀剣のごとし、垂直に切り立つ高隈山系唯一の花崗岩露頭の岩峰である。

 岩峰はビョウブ状に連座しており、その岩部には珍しい植物が見られる。

写真=マルバアオダモ

 先日紹介したアケボノツツジ、キリシマミツバツツジ(変種)やウリカエデ、イモノキ、マルバアオダモ、シマザクラガンピ、ウンゼンツツジ、ガクウツギ等が見られ、植物群の名にふさわしい高隈山系の独立峰をなしている。

 これらの植物群は、標高の高い高隈山本体の平岳、横岳に本来自生していた植物であるが、のちに安堵(安心)の地を求めて刀剣山に着生した植物である。

写真=ウンゼンツツジ

 標高わずか250m~600mの花崗岩に着生し、低地に自生していることは驚くべきことである。
 一方でタカクマミツバツツジは冷温帯性で標高の高い処を好み、低山への着生に失敗したと推察される。

 ここでは詳しく紹介できないが、植物の研究を行う上で貴重な場所である。

 写真はマルバアオダモとウンゼンツツジ(鹿児島県唯一)である。

 大隅の自然、歴史研究
 坂元二三夫

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