2024年07月04日 10時24分

《雑草 》

7/7いよいよ投開票~みんな投票に行こう!県知事選

 いよいよ今度の日曜日、7日が投開票となった県知事選。
 この大隅半島でも3候補がそれぞれの政策等を訴えている。それぞれマニュフェストも出され、選挙チラシ、選挙公報、政見放送もあり、3候補の思いが伝わってくる。

 地方選挙の中でも、市町村とは違い、薩摩・大隅両半島と南北600kmの広範囲で、30の有人島が点在する鹿児島県は、一巡するだけでも大変。
 広範囲だからこそその政策も多岐にわたり、農業県、特に盛んな大隅半島では農政についてや、離島も含め過疎地、少子化、人口減などの対策も大きな課題となっている。これは全国にも言えることだが…。

 それぞれが、体育館建設についてや、政策プロセスの在り方、稼ぐ力、子育て支援、原発などのエネルギー問題、この国の安全保障にまつわる地方の役割、有事、そして食についても、各々の思い、考え方を伝えている。

両半島と南北600kmの広範囲で30の有人島

 手もとには、知事就任4年間におけるマニフェストの取り組み実績の公表についてというちょっと厚めの資料がある。それぞれの分野で事業実績、回数や金額なども記してあり、ダイジェスト版と、それなりに詳しい実績の内容もあって、これらすべてを読み通すとなると大変。

 それだけ、県政は多岐にわたっているということなのだろう。この資料に目を通しながら、4年間の蓄積に加え、それぞれの分野における各組織の多くが支援、政党などの組織などを見てもやはり現職が有利なのだろう。

 ほかの報道機関の分析等も見ながら、この鹿児島をどう舵取りしていくのか、ひいてはこの日本の行く末がどうなっていくのか、選挙を通して政治や行政、政策等を改めて考えてみるいい機会ということなのか。

若い人たちの反応は?

 この欄で少しずつ伝えているのは、国の施策がそのまま地方で本当に生かされているのだろうかという思い。特に田舎と言われる地方では、どうも国と地方との事業の進め方などが、何か嚙み合っていないような何か居心地の悪さを感じたりする。

 反面、少子化や人口減少がどんどん進んでいる地域では、国に頼らざるを得ないところもあり、地方がどういった選択をしていくのか、その判断を候補者というよりも、有権者がもっと感じないといけないと思う。

 そこにはやはり投票率がとても気になる。昨今の選挙では半数、50%を割る選挙が多くなってきている。
 今、SNSを使ってどこでどういった演説をしたとか、発信がなされチェックはしているが、若い人たちもそのSNSに注目しているのかというと、そこまでの広がりはないような気もしている。

 私も何人かに今度の日曜、投票ですが、巷ではどんな感じですかねぇとSNSで振ってはみるが、反応は鈍く何か他人事のような感じを受けたりする。

前回の投票率49・84%、民主主義、本当に大丈夫か…

 県知事選も、1975年(昭和50年)には79・45%とほぼ8割の有権者が投票をし、選挙自体が盛り上がっていた時期があって、時代が違うと言われればそれまでだが、前回2020年は49・84%とどんどん低迷してきている。

 半数も投票しない選挙は果たして民意を反映していると言えるのだろうか。有権者の問題でもあろうが、SNSで発信して政策等を訴えているにしては、若い人たちになかなか届いていないような気もし、それは訴える中身の問題も多少なりともあるのだろうか。

 話が飛ぶが都知事選。選挙ポスター掲示板に当選目的とは思えないポスターが「ジャック」するかのように、同じものがたくさん張られ、また、ほぼ裸の写真。
 政見放送では着ていたシャツを脱いで、肌を露出する候補者など、あまりにもひどすぎる。

 選挙は権利でもあり、その地域や日本を良くしていくための一つの義務だと習ったような気がする。外国では選挙を義務化しているところもある。
 これでは選挙自体が大きく歪められ、投票行動には逆効果でとても残念だ。

 さらに飛ぶが、アメリカ大統領選。様々な考え、思いの方がおられるので、あまり強くは言えないが、議会議事堂襲撃事件では、前トランプ大統領が直接、間接に関わり、他の犯罪の隠蔽などでも起訴され34件の重罪に問われている。
 
 問題なのは、何かことが起こった時に、SNSでその内容を執拗に攻撃し、しかも、それ事実と違うだろうと思われることなど、繰り返し伝えられ、それに一部報道、SNSでさらに拡散され、そういった情報しか見ない傾向のある人たちは、それが真実だと信じ、選挙に大きく影響を与えている。

 都知事選や大統領選、ある意味、投票率を上げることに貢献をしているかもしれないが、選挙そのもの、あるいは民主主義、本当に大丈夫か…と、気分が重たくなるときもある。

政治や行政が時代の変化に対応しきれていない

 遊説や応援演説の中でも、ここ5年から10年が大きく変わっていく時代となると耳にしたりする。だいぶ前から言われてきたが、世の中はまさに大きく変化している、それは紛れもない事実だが、政治や行政がそれについていっていない。時代の変化に対応しきれていないというのが現状ではないか、それが投票率にも反映している、そんな風にも感じている。

 県知事選の取材を通して、一つの穿った見方なのかもしれないが、国や行政主導と民主導。もちろんどちらかに偏り過ぎてはいけない、今後を長い目で見て考えるとき、3候補の訴えを見聞きしながら一つの争点なのかという思いもしている。

 もちろん目の前の大きな課題は山積しているのでその解決が大事だが、最近少し思うのは、若い世代に加え、移住者と接していて、また離島の十島村議会に、地縁も血縁もない移住者の40代と50代の2議員が誕生したというニュースを聞いて、それも就労、起業等をしながら頑張っている…などの地域や自治体、そうしたところが元気があって、取材をしている中でも面白い。

投票率が上がり、選挙を通して県全体がもっと元気に

 時代を敏感にとらえ、地域をいい形にしていく原動力になる一つの要因にもなるし、そこで投票率も上がってくるのではと思う。

 知事選や大統領選に比べると…と思われるかもしれないが、地方においては、とても大きなことだと思う。
 報道でもいろんなデータや投票動向が流されているが、底辺にあるような小さいことがあながち選挙、ひいてはその地方を変えていくことに繋がっていく、ここ5年~10年を見据えた政治や行政に少しずつ繋がっていくのか…そんな思いもしている。

 まずは県民の意識がさらに高まり、県知事選の投票率が上がること、そして選挙を通して鹿児島県がもっと元気になることを祈念したい。(米永20240704)

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