《オーガニック 》
市民としての食へのアプローチを
続けて山田正彦さんの講演の話だが、そこではいろんな論点があり、それもとても大事な内容で、本当に喫緊の課題でもある。
だからこそ、今各自治体がオーガニック給食を始め、あるいは始めようとして、JAの中でも気づき始めアクションを起こしているところがあるようだ。
売り渡される食の安全
講演のあと、山田さん著の「売り渡される食の安全」という本をサイン入りで買い求めた。
第8章まである内容で、「国民を二度と飢えさせないー先人の思いが詰まった種子法はなぜ廃止されたのか」「海外企業に明け渡された日本の農業」「自分の畑でとれた種を使っていけない」のほか、遺伝子組み換えやゲノム編集の米、モンサント裁判や世界で加速する有機栽培などの話が綴られている。
こうした意識ある人たちは結構集まっていて、先月は声をかけられて車を飛ばして吹上まで出向き1泊していろいろ情報を得た。
危機感を持った人たちが集まっていて、そこではムクナ豆を栽培してもしというときに備えよう…と、種用の豆ももらってきた。
ルポ 食が壊れる
そこでも、これ読んだほうがいいよ…と勧められたのが堤未果さんの「ルポ 食が壊れるー私たちは何を食べさせたれるのか?」であり、そこでも大きな危機を訴えながらも、今まで農薬や偏った肥料で死んだ土壌を蘇らせ、奪われてしまった日本の食の未来を新たな視点で切り拓け…と訴えている。
私たちは戦後の農業や教育が、どういった形で変えさせられてきたか、東京に住んでいると分からないのだろうが、この豊かと言われる大隅半島で生きているからこそ感じることがある。
この豊かな地だから出来ること、戦後おかしくなった農業を変える何か秘めた力があると感じ、水のきれいな肝付町川上で古民家を探したり米を作ったりしてきた。
日本の食が危ない
その10年ほど前も、無農薬、有機農業が取りざたされて鹿児島市のオーガニックフェアなど出かけたりした。そのときは認証制度がスッキリしない形だったけど、今回は、そうした形式的なことよりも、現実の危機感から多くの皆さんが動き始めているようだ。
また、4月の文藝春秋の特集は「日本の食が危ない」で、50ページを超えて特集、ルポが記されている。
今、私たちは何をしなければならないのか、コロナ感染やロシア・ウクライナ戦争で、それが具体的に、そして鮮明になってきている。
このことにいち早く気づき、多くの人たち、地域が動き出してる、それはこの大隅半島こそが…とも思うのだが、何かとても重たいものがあるようだ…。
農地を集約し、スマート農業等が農業政策として進められる一方で、これは、食の安全という見地、それも子どもたちの将来、食育まで繋がっていく、違った視点からの市民としてのアプローチ。
いまここで地域を挙げてのこうしたアクション、私たちのことだけでなく、未来の子どもたちのために絶対必要なこと…。(米永)