《オーガニック 》
地域で代々受け継がれてきた「かのや姫小豆」農家募集
㈱かごしまんま山下理江さん
かのや姫小豆をブランドに
鹿屋市串良町上小原の「株式会社かごしまんま」代表取締役、山下理江さん。
鹿屋、県産を中心とした「チカラある野菜とうんまか食材」を、インターネット通販で全国にアピール。
そして、鹿屋市で代々育てられてきた小豆に着目し「かのや姫小豆」として、小豆計画 kanoya azuki project を昨年から立ち上げた。
写真=写真=小豆計画を語る山下さん
鹿屋市広報等に広告を出し農家を募り、「かごしまんま」というブランディングとともに、「かのや姫小豆」を新たな鹿屋のブランド作りに奔走している。
そのスタイルは、これまでのやり方とは違った新たな手法によるもの。
これは2011年、千葉から鹿児島に移住して、かごしまんまを立ち上げたときからスタートしている。
千葉県の江戸川近くで生まれ育ち、東日本大震災を体験し、食の安全、水の安全を考えたとき、これはまずいんじゃない…と思ったのがきっかけ。
東日本震災で鹿屋の食材送ってもらう
関東にある生協団体のなかでも一番厳しいといわれる生協団体に加入していたが、震災で牛乳や卵などなぜとめないの、放射能をなぜ量らないの、チェルノブイリ原発事故で厳しくなった基準を取っ払っちゃっていいのという思い。
あと、出身がこちらで東京消防庁に勤めていた父が定年退職で母と2006年に先に帰ってきて家を建てていた。
震災時、牛乳や野菜が放射能で出荷停止、水も1歳児以下の乳児のいる家庭には水道水を控えてとペットボトル水が市から配布されるなど大変な中で、父と母がわんさか送ってくれてて、涙が出るほどすごく嬉しかった。
写真=写真=農家さんに計画を説明
ここにフィールドがある!ということが分かり、これを職業にしたいと思った。そして父が大病を患ったこともあり移住してきた。
千葉での生協団体のような基準でかごしまんま作れたらな…という思いがあり、一つの段ボールの中でいろんな野菜等を日常食材として家庭に届けている。
それも九州産で放射能が心配のない食材、せっかくなので添加物、農薬がなるべく入っていないものを…。
地元産小豆手に入れ、あんこも欲しい…
完全オーガニックだと日常価格でなくなり、ぐっと値段が上がって続けられなくなってしまうので、そこそこにしよう…アミノ酸を使っていないものとか…、そんな中、小豆が北海道産が多い中で、地元産の小豆が無いですかという要望がちょいちょいあった。
調べると95%が北海道産で、よくよく調べてみると、ほかの5%は少しずつだが全国各地で広く作られているのが分かった。
北海道だけが適している産地というわけではなく、大規模農業が出来るところが北海道の十勝であって、鹿屋にも在来の小豆をずっと繋いで作っている農家が数軒あった。
小豆だけは、関東では北海道産しかなかったし、ここで作ってみたいなあと思っていたところに、コロナでいろんな波にのまれてしまった。
それでも、絶対作んなきゃなあ…と決め、事業再構築補助金申請にチャレンジ、2度目で採択されて、スタートすることができた。
そしてまた、今度は値上がりの波にのまれてしまい、「今、とてもつらいですね」と。
ただ、オーガニックもずっと考えてきて農家さんとの関りもあって、いろんな知識は持っているつもりだし、新しい作物を動かすにはどうしたらいいのかということを考え続けてきて、ここに至ったので、ネット通販で地元産食材をPRし、小豆計画をしっかり進めていきたい…など語っていた。
タネを無償提供し全量買い取り
今、かのや姫小豆農家を募り作ってもらいながら、食のイベント等にも出店。
製餡所も新設し、大豆選別機、冷凍冷蔵庫、小豆洗い機、餡練り機などを導入し収穫したかのや姫小豆加工の準備中。
小麦も九州産でのオール九州あんぱんを作ってもらい好評。
さらには鹿屋産小麦の農家とのコンタクトし、オール鹿屋産でのあんぱん作りなども目指している。
小豆計画 kanoya azuki project の「かのや姫小豆づくり」は、播種時期、生育期の除草のタイミング、刈り取りの時期等の統一したルールをしっかり守って作ることでブランディングを目指すが、なんといっても、タネを無償提供した上で全量買い取り。しかも市場の約2倍の値段で買い取っていくという。
来年もまた作りたい…と思ってもらえるよう
そこには、山下さんの特別な熱い思いがある。
「持続した農業をやっていくため、それも新しくこの貴重な小豆を作ってもらうには、『来年もまた作ってみたい』と思っていただくようなシステムを作っていくことが必要」と、強い気持ちで語っていた。
かごしまんまでは、鹿児島を中心とした九州の旬のチカラある野菜、素朴な基礎調味料、牛乳、卵、肉、魚、豆腐、納豆、米、パン… 日々に欠かせないものをワンストップで買えるお店。
同じ空の下、心から願っていること
かごしまんまの段ボールが届いたら、少しでもホッとして欲しい、安心して欲しいなと思いがあり、自らも体験して痛いほどわかっているからこその思いを込めて、かごしまんまだよりの結びの文を次のようにし、創業当時から届ける商品の納品書とともに添えて同封している。
『今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。』
㈱かごしまんまは
住所〒893-1605
鹿児島県鹿屋市串良町上小原2600-2
電話番号0994-63-0555
Fax番号0994-63-0556
営業時間10:00 - 17:00
定休日水・土・日
詳しくは→かごしまんま