2025年09月22日 10時32分

《雑草(コラム) 》

政治が壁となってブレイクスルーできない

 私たちおじさんは、政治の話がそれなりに好きで、同級生とかが集まると話題になる。
 若い世代はどうなんだろうと思う、特に自民党の総裁選挙が告示されるという中で、党員91万人とも言われる人たちのことだから、あまり興味は示さないのだろうか。

 今回5人が立候補を表明、メディアへの露出も多くなってきた。
 何を訴えているのか、なるべく目にするようにはしているが、「世代交代、若い力で国を引っ張っていく」という流れと、「経済成長を重視した安倍元首相の方向性を継承していく」とこれまでを引き継ぐ形など、それぞれ。

 若くはない世代なのだが、気になるのは「経済成長を重視」という言葉。本当に国民、特に若い世代が求めているものなのだろうか…。
 もちろん、経済成長がないと財政に影響、政治が前へ進まないのかもしれないし、これまでは、そんな訴えが国民にも響いてきたのかもしれない。

 ただ、経済成長というのは、様々な政策を執行していく上で必要なことではあるのだが、それをあまり前面に出していくと、目的と手段が入れ混じって、本当に何がしたいのかが見えにくい。身に迫ってくる喫緊の課題がこんなに山積しているのに…。

 党員への訴えなので、そうした手法も大事なのだろうが、国民には響かないどころか、告示から12日間の選挙戦の中で、繰り返しメディアで訴えられると、国民のほうに目が向いていないと思われてしまわないか…。

 手段が目的となっては、本来の目的を失してしまう…、特に若い世代は、目の前の身近な課題解決を示してもらわないと、政治から離れていく傾向に拍車がかかるのでは…という心配だ。

政治と金の問題と経済成長と

 少し前になるが、前回のこの欄でも、50代、60代以上の新聞やテレビ世代と、20代、30代のネット世代と情報受発信の仕方が大きく様変わりしていて、それが政治や選挙にもかなりの影響を与えていることを書いた。

 言い方は悪いが、旧態依然とした政治や選挙のスタイル。それらを継承していく…と主張しているようで、若い世代には響かないのではないか。

 特に政治と金の問題が、ここ最近の選挙にも影響を与えていて、選挙の総括でもそれを指摘する部分もあるが、そこに踏み込まないまま、経済成長を重視と言われてもピンとこない部分がある。

若い世代に響く政治とは…

 表層は政治家の政治活動に関することなのかもしれないが、例えば、これまで長く日本を支えてきたモノづくり、技術を考えると、もっと国民の側を考えた施策が進められるはずなのに、深層では政治と金の問題があるからこそ、既得権を守る方向にベクトルが向いてしまって国民との距離が出来、政治の形が壁となってポジティブにブレイクスルーできない。

 それが戦後の経済成長期後、ずっと続いてきた今の日本の政治の姿ではないか…若い世代は、そうした理論的なことは分からなくても、これから自分たちに降りかかるであろう負担からくる不安を肌で感じ、前面に打ち出される「経済成長」という言葉を斜に構えて見てしまう。穿った見方で杞憂かもしれないが…。

 少数与党ということで、今後どんな政局になるのか、これまで経験したのこのない政治シーンが繰り広げられていって、新たな政治スタイルが生まれていくのか、これまでの政治を継承していくパターンになるのか…、野党の動きも含め、次の臨時国会を待ちたい。
 久しぶり同級生と政治の話をして、そのあとで考えたこと…。(米永20250922)

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