2025年05月22日 15時08分

《雑草 》

世界自然遺産、クルーズ船、恐るべし~奄美大島

 20年来の交流のある奄美大島の友人が、5~6年ぶりに訪ねてきた。
 前回は吾平山上陵等を案内したので、今回は、塚崎、唐仁、横瀬の古墳群を案内した。

 別に本人は、歴史とかが好きという訳ではないが、奄美には古墳がないだろうし、薩摩半島にもないので、あまり見たことがないだろう…と思いお連れした。

 さすがに初めてみる古墳の上に樹齢1300年の大クスがある姿には感心していたし、唐仁古墳1号墳の上に大塚神社があるというのもびっくりしていた。

 古墳を見学しながら郷土歴史資料館も訪れ、大隅半島の古代の歴史を説明した。
 すると「鹿児島の歴史は、関ヶ原の戦い以降、明治維新前後のせごどんや大久保、島津の歴史がほぼで、鹿児島市の歴史資料館に行っても古代のことは触れていない。
 古墳のことは、県内の多くの人は多分知らない…」と。

 また「古墳の上の大クスや、大塚神社の鳥居前に佇んだ時点でもとてもスピリチュアルなものを感じるし、古墳の上の神社にしろ、インバウンドで呼び込めば、映えするのでは」…と。

 そして、奄美大島は世界自然遺産になってから、クルーズ船が月に4~5回来て、2000人とかが下船したときは、バスにもタクシーにも乗れない人たちがシャッター通りに群がり、最近はシャッターを開けてたこ焼き等を売ったりしている。

 大島紬の店も、小物も人気で1日で100万円売れた…、こんなことはない。
 また、海岸沿いの土地、坪3000円が3万円になり、他のビーチでは別荘を10棟建て、3000万円で売ったら完売だったという。いくらで建てたかは教えてくれないが…。

 そして、自衛隊と米軍の訓練もあり、弁当屋さんもこれまで日に20個、30個だったのが、300個とかの注文がきて、そうしたこと併せ奄美大島は戦後最大のにぎわいだ」など。

高隈、国見、稲尾山系のイスノキやタブノキ…

 特に世界自然遺産、クルーズ船、恐るべしだ。
 
 そうした奄美の現状は、行ってみないと、現地の人に聞いてみないと分からない。
 なので、大隅半島の歴史を、詳しく説明しても、奄美のバブルではないが、しばらく続きそうな活気の話にだんだん押されていって、最後はその話し持ち切り。

 これも奄美の自然をこれまで大切にしてきた先人たちの力もあるのだろう。

 大隅半島では、高隈、国見、稲尾山系の幹回り4-5mあるイスノキやタブノキなど、昭和40年代前後で、10年間でほぼ全部伐採、その数、数千本。
 どこまでお金になったかわからないが、大隅半島の大事な資源が失われた。
 タラレバだが、それが残っていたら、宮崎の綾町とともに落葉せず1年じゅうこんもりとした山が連なる日本最大の照葉樹の森として癒されるスピリチュアルで特別な半島だったはずだ。

 そうした話はしなかったが、まあ、今度はぜひ奄美に来てくれ…と誘われたので、夏が過ぎたら、足を運んでその活気ぶりをこの目で見てみたいと思った。(米永20250522)

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